楽しく勝つための現代麻雀技術論第3回「ネット麻雀のススメ」

 「リャンメンで『待てるようになれ』」というお話をしましたが、そのための方法論としてお勧めするのが「ネット麻雀をやり込むこと」です。

 ネット麻雀を打つメリットとしてよく言われるのは、①牌譜を見返すことができる②成績を数値で確認できる③強者の打ち筋を見ることができる この3つですが、①②③をうまく活用できている人はそれだけで十分実力者と言ってよいでしょう。これから麻雀を学ぶ人にとっては、④短時間で多くの対局をこなすことができる⑤自動で理牌され、テンパイ、アガリをプログラムが知らせてくれる⑥打牌に時間制限がある この3つこそがネット麻雀を打つ大きなメリットです。

 「リャンメンで待つ」の段階でつまづく人が、「合理的思考が苦手」「戦略ゲームに慣れていない」かと言えば必ずしもそうではありません。とんでもない悪形待ちリーチを乱発して周囲を呆れさせていた学生時代の友人は、私よりずっと学業の成績がよく、ゲームも好きな男でした。「ゆるゆる麻雀会」に参加されている初心者の方も、麻雀以外の卓上ゲームの熟練者で、戦略ゲームをやり慣れている人ばかりです。

 そうした人が何故つまづいているのか。前回申した通り、数字を画像のようにイメージするのが苦手。そして、牌を積む麻雀をたまに打つだけなので、なかなか慣れる段階にまで至らないことに原因があるのではないでしょうか。⑤自動で理牌され、テンパイ、アガリをプログラムが知らせてくれる。これだけでも初心の段階でつまづく人には大きなサポートになります。

 (余談中の余談になってしまいますが、「ネット麻雀は牌操作」があると主張する人が後を絶たない理由の一つが実はここにあると思っております。「自動理牌」という「牌操作」があるので、牌を積む麻雀だと簡単な待ちもよく間違えてしまう人がチャンス手を逃してくれず、牌を積む麻雀で仲間内の初心者と遊ぶ時ほどは勝てなくなってしまうからです。)

 前後しましたが、④短時間で多くの対局をこなすことができる。これも特に重要です。初めての人に麻雀を教えようとしたが、数日やってもその人は全くアガれなかったので結局辞めてしまったという話を目にしました。

 数日やっても全くアガれないとなるとよっぽどの不調に聞こえますが、「覚えたばかりの人が」「牌を積み並べる作業をこなしながら」「自分の頭で考えて」「麻雀を打ち慣れている相手と対局」とすればそうなってしまうこともあるでしょう。

 短時間で何度も対局できて、アガリ牌が出れば自動でアガることができて、しかも対戦相手が強くなければ、こういったことにはならないのではないでしょうか。段位戦ではなく、CPU戦でもよいかもしれません。CPU相手ならなおのこと短時間で対局できますし、実力も人間の初心者より弱いので覚えたての人でも簡単に勝つ楽しみを味わうことができます。

 それだけならオンラインに限らず、牌を積まないゲームの麻雀なら何でもよいのではとなりますが、麻雀を楽しむだけでなく、実力をつけることを目的にするなら、⑥打牌に制限時間がある。これも欠かせない要素でしょう。麻雀に限らず頭脳を使う競技は考えることが大事と思われがちですが、実際は、「考えずともできること」を素早くこなせるようになることこそ重要です。上級者の長考は深く思考するための土台があってこそのもの。土台が出来る前から長考する癖がついていると、「考えずともできること」が「下手に考えるからできない」になってしまう恐れがあります。打牌を早くすれば強くなれるというものではないですが、強い人はおしなべて早く打とうと思えばできるものです。

 非公開情報のある麻雀はいくらその場で思考しても結論を出せないことが多いものですから、制限時間を設けなければついついどこまでも考えがち。この点からも、ネット麻雀こそが実力を身につけるためにふさわしいフィールドであると言えるでしょう。

 

宜しければサポートお願いします。サポートは全てラーメンのトッピングに使わせていただきます。ラーメンと麻雀は世界を救う!