第十期天鳳名人戦牌譜検討第54回

第四節二回戦卓2

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 東アンコ落としでベタオリするのは簡単ですが、2pツモ切り後に字牌手だし三連打。よほどのことが無ければ2p先切りの14p待ちに当たることはないでしょう。ドラ発が重なった時に押し返す手順を残すために打1p。

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 すぐ発が重なったので押しに転じて先行リーチ者から満貫和了。結果的にはリーチしていれば一発で跳満でしたが、跳満の可能性は低くダマでも最低6400、終盤につきリーチ棒出費の兼ね合いでダマが無難でしょうか。ベタオリなら精度を高めるべく一番安全な牌から切るべきですが、二番目に安全な牌を把握できていればベタオリの頻度を減らせるようになります。

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 14sをチーすると中の後付けが透ける、34mツモからクイタンドラ3移行狙いで23sでチーして打発もあります。ただ中がポンできた場合は47s待ちより14s待ちが残る方がアガリやすい。中がすぐ鳴けそうな時ほど56sでチー寄りと言えます。

 東家は手出しで白切りから西トイツ落とし。手牌で浮いているケースは考えにくいですが中はつかめばツモ切られる牌。南家は客風手出しの後で手出しで打4s。重なり期待で手の内で浮かせているケースは一応考えられる程度ですが、北家は手出しで9m白発。手牌で中が浮いていて次巡切ってくるケースもそれなりにありそうです。白発中中と持っていたら三元役狙いで白発も残しそうなものですから、手牌に持ってないケースもツモれば切りそうです。分岐点がどのあたりにあるかは分かりませんが、少なくとも今回は56sでチーに分がありそうです。

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 1sをチーすることで、「今にでも手牌から切られそうだった中がピンポイントに止められてしまう」程度に中の出が止まるようなら1sスルーがよさそうですが、北家が手出しで2m5sと切ってきたので中が1枚だけ手牌に浮いているケースは考えにくいのでテンパイに取るところとみます。

 79sツモで鳴き一通に切り替えるかも気になるところですが、中は山に2枚生きの可能性が高いのに対して、7s9sは他家に使われやすく山に2枚以下のケースも少なくない。ここから8sを手出しすれば、中後付け→鳴き一通テンパイへの切り替えは読まれやすいのに対して、ツモ切りなら中暗刻や確定一通で別の待ちが残っているケースを否定できないことからツモ切りが無難でしょうか。手牌の価値が上がっていると言えるか微妙なら、基本は他家に与える情報量が少ないツモ切りがよいです。

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 北家の6pが鳴かれていないので東家に通ると思いきや、8p持ちのくっつき1シャンテンから7pを引いてテンパイしたケースだったので放銃。ターツ落としがタンヤオのつかないペンチャンのみ。6sポンは6sがカンドラになった直後なので、ドラ3あればメンツ候補の足りていないところからメンゼンを崩してクイタンにするのも合理的なのでくっつきのケースも否定できません。6pの放銃自体はレアケースと思われますが、現物の2sや、単騎待ち以外で当たらずその単騎待ちも手順上考えにくい8s切り(ただし6p切りよりアガリにくくなりやすい)。最も手広い1シャンテンに受けられる打2p(ただし東家に当たる可能性は6pより高い)との選択なので迷います。

 東家はペンチャン落としの後は手出し2sのみ。河だけ見るとノーテンの可能性が高そうですが、西家仕掛けに対して生牌中切り、それを大ミンカンから手が進んで4mが手出しされても1枚切れ東ツモ切り。西家からアガってトップ終了もある3着目の親につき非テンパイからでも押すことも考えられますが、テンパイ率自体はそれなりに高い印象があります。とはいえ西家自身も東家が西家からアガると2着終了があるので安易に降りてもいられないところ。難しいですね。

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 6pをツモってきた時点で見た目4枚。ドラ4pはリーチの現物とはいえ他家がわざわざ切る牌ではないですが、残り2枚の9pは山に残ってそうなうえ誰も止めづらい牌。ドラ4pツモ切り7s手出しリーチなので、北家の待ちは7s周辺が本命で、入り目のケースだとしてもドラ4p周辺の36pは考えにくく、6m4枚見えにつき残りスジは25m25sくらいというところでしょうか。ここで6pを切るのに時間をかけると、単騎選択で迷ったパターンを想定されて9p単騎を止められる可能性が出てくるので、可能な限り迅速に判断して速やかに切りたいところ。西家からうまく討ち取ることができました。

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 6mポン打5m。残っている牌から北家の待ちはほぼソーズ。そのうえで123sにラグが無く、トイトイなら7sも無い。単騎待ち残りなのはやや想定外ですが、58sの放銃率は推して知るべしというところでしょう。


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 北家は赤5sよりは山に残ってそうな8p単騎に切り替え。ドラを切ってもツモって1600−3200なので妥当なところ。これを西家がポンして打6p。流局間際なので当然のテンパイ取りですが、長年麻雀をやっていると派手な和了よりも5sポンしてカン5sテンパイみたいな手順に惹き付けられます。

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 西家の赤5p6pはいずれも通っている牌で、こちらの仕掛けに回ったことは明らかですが、雀頭がどこかと考えると8pありそうなところ。南家の打8pの時点で西家が鳴き無しを押していなければラグがかかっていたはずというのもあります。7pの受けがあったから赤56pの赤5pから切ったことも説明がつきます。(7p受けが無くてどちらから切っても差がほぼつかないので信用度は低いですが) 赤5688p5566sのような形から赤5p切りのケースなら8pは西家の当たり牌。よって3sを切るのですが、これが不幸にも東家の三色ドラドラに振り込みトビ終了。東家にダマテンが入っているとすれば8pよりは3sの方が有り得るとはいえ、流石にこれは止まらないですね。

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