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がんばれ藍住さん⑥

 先週はいつもの個室をお休みしたので、今回は藍住さんが参加した四麻の大会よりピックアップ。三麻の人のイメージがある藍住さんですが、実は三麻より四麻好き。以前のゲーム仲間(人狼やTRPG)から誘われてMJで麻雀デビューしたそうです。

 一方私は学生時代、将棋やTCGを経てからオンライン麻雀デビュー。長くやり込んだのはMFCでしたが、実は大学入学からしばらくはMJで遊んでいたり。人狼やTRPGは四人以上の多人数で遊ぶことも想定されていますが、将棋やTCGは基本的に二人対戦。藍住さんにとって麻雀は「四人しか遊べないゲーム」。私にとっては「遊ぶのに四人も必要なゲーム」。同じ麻雀愛好家でも、麻雀なる世界の見方は全く逆だったりするんだなと気付かされたのでありました。

打8sリーチ 藍住さんはかつて、「リャンメンテンパイになるまでは絶対リーチしない」人だったそうです(実は私もオンライン麻雀デビューした頃はそうでした)。

 待ちが悪い、手変わりがある、巡目が深い、他に聴牌している人がいそう…。定性的な言語で説明しようとすると、リーチをしない理由が次々と思い浮かんでしまいます。

 だから定量的なデータ研究を基に麻雀を学ぶべきなのですが、厳密に数式で表そうとした途端、学ぶ側だけでなく教える側も一気にハードルが上がってしまうのが麻雀講座。そこで私がお勧めしたいのは、頭の中で長方形を思い浮かべ、面積(横=和了率、縦=打点)をなるべく広くするイメージを持つこと。これなら小学生の算数の知識でも、「期待値」の概念を身に付けることが可能になります。

打南 藍住さんは麻雀に限らず、「距離感」をつかむのが苦手。そこが彼女の人間的魅力でもあるのですが、麻雀においては欠点になります。だから自分が聴牌していて誰もリーチしてないのに日和ってダマにしたり、逆に2シャンテンからリーチに無筋を切り飛ばしたりしてしまうのですね。

打3p 「リャンメンで待てない」「ドラ切りたがらない」を併発させたミス。序盤&大きく負けている&筒子4連形が伸びるとタンピン手で跳満以上を追えることから打発も有り得るかもしれませんがお勧めはしにくい。さしもの藍住さんも筒子が3789pなら3pを選べている筈なので、選択肢が多い方が手牌の価値自体は高くなるがミスの頻度も高くなることを再認識させられます。

打9p
打1s

 ドラを切りたがらない割には、見た目浮いているドラはあっさり切り飛ばしてしまったりする藍住さん。前者は「13332」2の1シャンテン。後者は「22322」2の2シャンテンにつき、
(」2)を落としてもシャンテン数を維持できるので、その分ドラを抱える余裕があります。

 「ドラは恋人」と言われることもあれば、「ドラは出世の妨げ」と言われることもありますが、麻雀に限らず勝てるプレイングをする為には、「どういう時に(認知)」、「どう判断して(判断)」、「どうするか(実行)」。先程の格言には3要素のうち1要素も含まれていませんが、アドバイスとして比較的有用とされる格言でも、実のところ1要素しか言及されてないこともざらにあります。

5s鳴かず 藍住さんからかつて、「変な鳴きをしないように鳴き無しを押すようにしていた」と聞きましたが、その片鱗が見えてしまう鳴き。四麻はチーがあるので、「損な鳴きが出来てしまう」機会が三麻よりずっと多くなります。

 しかしだからと言って、「なるべく鳴かない」と教えるのは、「どうするか」の1要素しか伝えてないので極めて不親切。「鳴くと役が無くなるので(認知)」「鳴かない方が和了率が高いため(判断)」「5sを鳴かない(実行)」。毎回3要素をきっちり取り上げようとすると何ともくどい文章になってしまうのが難点。だからこそ自然言語に頼らない麻雀講座をやりたいのですね。

打4s ツモ24p23569sの手変わりを待つ方が和了率が高い。平和、一盃口があるので打点も少し高くなる。

 藍住さんも積極的にリーチしようと教わらなかったわけではないのですが、言ってしまえばこれも1要素しか伝えられていません。

 一般論として四麻の場合は良形変化7種がリーチを打たずに手変わりを待つ基準とされていますが、これは一般的な先制カンチャンリーチの和了率が5巡後の先制リャンメンリーチに等しく、平均5巡以内で聴牌するためには34/5=6.8種手変わりが必要であることから来ています。

 今回のような残り2枚の1p4sシャンポンは一般的な先制カンチャンリーチ(中盤で和了率40%程度を想定)より和了率が低いのでより少ない手変わりでも待った方が良いことになりますが、リャンメン×2(リャンメン受け4種)の1シャンテンでも中盤で30%の和了率が見込め、34445sのような中ぶくれシャンポンだけでもリャンメン変化が4種あるのですから、敢えてリーチを打った方が良いことはそうそう無さそう。リャンメン変化が7種もある手は結構稀ですが、今回のような非リャンメンの中でも特に和了率が低い形は割かしよく出現するので、先制リーチが基本と謳っておきながら、例外ケースは案外多いのですね。今日はこの辺でお開きとしましょう。

※今回も有利部分にちょっとした裏話有り

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