ネマタの「裏」麻雀本レビュー第6回「『夜桜たまがマンガで教える麻雀入門』編その6」

6日目 牌効率という言葉が広く使われている以上、入門書として取り上げる必要性があったという事情は推し量りますが、ここまで取り上げてきた麻雀用語と違い、明確な定義の無い言葉です。本書でも漫画の中では「テンパイまでの確率・早さ」とありますが、絵日記では「なるべく多くの待ちになるような切り方をする」とあります。

 一見両者は共通しているようですが、実は相反する場合もあります。例えば3334456m23p12378sの1シャンテンであれば、テンパイまでの早さは打4mですが、なるべく多くの待ちにするためにはマンズの4メンチャンを残すリャンメン落としになります。手役を考えない前提だとしても、それだけでは牌効率を定義したことにはなりません。

 25m待ちの平和イーペーコーにするか、カン2m待ちのチャンタイーペーコーにするか。こういった打牌比較のために必要なのは、牌効率のような曖昧な概念ではなく、和了率、打点、放銃率といった、名前がそのまま意味を表しているので、あえて定義する必要がないほど具体的な概念です。

 もちろんこれは「正しい打ち方」を目指す場合の話なので、「楽しい打ち方」を目的とする本書に対してこのような話をするのは、些か無粋と言えます。しかし、「たくさんアガること」「好きな役を目指すこと」どちらの目的を達成するためにも必要になるのは「とにかくたくさん打ち込むこと」です。そして、たくさん打ち込むためには、「勝ちやすい」打ち方を心得ておくに越したことはありません。実際、勝てる打ち手ほど試合数をこなしているものですし、試合数をこなせば、自然とアガれる回数も、好きな役でアガれることも増えます。

 「正しい」打ち方というとどうしても、他の打ち方を認めないと受けとられがちですが、正しいと楽しいは相反する概念ではありません。麻雀に興味を持って始めるうちは、自分な好きな役を目指すのが楽しいといった、楽しさに条件をつけるのもいいですが、長く麻雀を楽しむためには、楽しさに条件をつけず、ただ打つのが楽しいと言えるようになりたいものですね。 

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