楽しく勝つための現代麻雀技術論第5回「細かいルールは打っているうちに覚えるくらいでいい」

 昨日、家庭用ゲーム機の話をしましたが、日本における家庭用ゲーム機の変遷について、詳しくかつ面白く解説している動画がこちら。ファミコンが発売されてから実に37年になりますが、麻雀を扱ったゲームソフトも実に様々なものが発売されました。日本で遊ばれるようになってから麻雀人口がピークに至るまでは、時代を経るにつれ麻雀のルールはどんどん変わっていきましたが、ファミコン初の麻雀ゲーム「麻雀」の頃から今日に至るまではルールがほとんど変わっていない(精々赤ドラが採用されることが多くなったということくらい)のは、ゲームで採用されたルールが全国的に浸透したためかもしれません。麻雀ゲームの歴史についても、そのうち取り上げてみたいですね。

 「ゲーム機大戦」はニコニコで200万再生を超える超人気動画ですが、同じ方が投稿されている「麻雀講座」がこちら。何とたった4分で麻雀のルールが分かり、しかも麻雀牌と数字以外の言語を全く用いないという非常に画期的な内容になっています。

 もちろん麻雀未経験者がこれだけで麻雀のルールを把握できるわけではありませんが、言葉を通じて丁寧に解説するより、見続けているうちに興味が湧き、何となく技術が身につくようなものこそ、麻雀入門としてふさわしいのではと思った次第です。

 ゲームソフトには「説明書」がついてますが、説明書を隅々まで読み、ルールを把握してからゲームをプレイするという人は少ないもの。むしろ説明書など全く読まずにゲームを始めたという方も多いのではないでしょうか。麻雀のルールは何かと複雑と言われがちですが、それは「入門者が一から覚える」ことを想定するため。麻雀の役の数より、RPGのアイテムや技の数の方がずっと多いですし、麻雀の点数計算より、多くのRPGで採用されているダメージ計算の方がずっと複雑です。

 これが将棋や囲碁、あるいは身体を用いるスポーツのように、「ルールがシンプルであるが故に競技性が高い」ゲームであれば、「プレイヤーはルールを全て把握していて当然で、それが難しいのであればルール自体を簡潔なものにするのが望ましい」という話になりますが、麻雀はどちらかと言えばRPGのような電源系ゲームに近いゲーム。これから麻雀を始めたいけれどもルールを覚える自信が無いという人は、「ルールを完璧に覚えなくても遊べるが、ルールを把握してうまく利用すればよりゲームが有利に進められる。細かいルールは打っているうちに覚えていけばいい。」くらいのつもりで遊ばれることをお勧めします。

 特に麻雀は、細かいルールについてはむしろ意識しない方がより優秀な打牌を選べることも多いものです。私はここ数年で、オンラインで麻雀を始め、天鳳で高段位(八〜十段)を達成した方から、入門書に書いてあるルールレベルの質問を受けたことが何度かありました。聞いた時は驚きましたが、電源系ゲームの仕様の一つをたまたま知らなかったようなものだと思えば何ら不思議なことではありません。むしろ彼らは麻雀もゲーム機で遊ぶゲームと変わらないと捉えていたからこそ、勝つための技術を効率よく身につけ、短期間で上達することが出来たに違いありません。

 ルールがあやふやなままでも、楽しみながら勝つことができる。その感覚を一人でも多くの方に味わってもらえるように、次回からは、やたら言葉が多くて読んでいて眠くなることで評判の拙著『勝つための現代麻雀技術論』を元に、読んでいて楽しい麻雀講座を始めたいと思います。


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