第十期天鳳名人戦牌譜検討第46回

第三節二回戦卓4

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 西家のリーチ後に目まぐるしく仕掛けが入った局面ですが整理してみましょう。

 まずは西家が打4pリーチ。これに対して東家はポンして形テンを取ることも出来ましたが7mの放銃率が高く、368mチーからなら比較的通りやすい9m切りで形テンに取れるのでスルー。

 北家の打8mに対して東家がチーして打9m。それを南家がポンして打2p。リーチ宣言牌が4pなので2pの放銃率が高いように思われますが、リーチ以前に89s白と手出し。89sとドラ入りペンチャンを落とした時点で、白を安牌として抱えた1シャンテン。次巡4pをツモり、巡目が深いこともあり、一旦4pを止めて白を切ったとすれば、4pがメンツ候補の一部ではなく、2pはむしろ通しやすいと言えます。

 その2pを北家がポン。通っている45sを切りつつ形テンを目指します。実力が伯仲している天鳳名人戦のフィールドだからこそ、細かいようでも形テンが勝敗を分ける展開にもなりやすいです。

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 東家の3pを南家がポン。自身にハイテイを回しつつ、単騎待ちにすることでハイテイ牌が通っていない牌だとしても現物切りでテンパイを維持できるようにします。北家も6mをツモってテンパイ。全員テンパイで流局となりました。

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 南家は残り1枚の南待ちで東家に6sは通しづらく、ソーズ周辺引きですぐテンパイに復帰できることもあり打北。しかし北は場に見えていない牌。東家の手牌が少し違えば当たり牌になるところでした。ほぼ形テン止まりであることを踏まえると3枚見えの打南がよかったでしょうか。東家はソーズホンイツ狙いでしたが、南家の仕掛けに赤5pを止めてフリテンカン4p待ちでした。

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 南家が1sをツモって再度テンパイして北を切った局面。この時点で南家が北トイツ落としは回った可能性が高く、少なくとも3pは通りそうにも見えます。それなら北ポン打3pとする手もあったように思われます。南家がテンパイを取れているなら出アガリが期待できないこともなく、少なくともハイテイを南家から自家に回せるだけでも利点になるためです。結果論ですが5p単騎に受けていれば4000オールをツモっていました。

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 1シャンテンに取れる形でしたが、リーチのみでは不満が残る南場ラス目ということもあり2シャンテン戻しになる8sアンカン。一色手変化をみるなら8sカンツを1メンツに決めずに打2mとする手もありますが、そうすると223m周辺を引いてのタンヤオ、三暗刻受けを逃すことになります。一色手はいずれにせよ数手先の変化なので一手先の変化を優先します。

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 発のみ14mテンパイになりましたが、この点数状況なら一手先ホンイツ変化をみて5sチー打2m。妥当な判断とみますが、贅沢を言えば2sをチーして一手変化緑一色に受けたかったところ、場に34sが多く見えていなければ、5sはスルーしたものと思われます。

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 西家からリーチが入りましたが、ラス目で高打点1シャンテン、手広さのまずまずとなれば押すところ。しかしアガるためにはリーチの当たり牌を切らずに手を進める必要があります。3s受けを残す打3pでは仮に3pが通っても次巡以降ピンズの無スジを通していく必要がありますが、打2sならピンズを手牌に留めたうえで現物4sを切って1シャンテンに取ることができます。

 リーチが入っていないとしても、ピンズの良形変化を重視して打2sが推奨されやすい手牌。リーチ者の危険牌を吸収する手筋は一つのセオリーとして確立していると言えそうですが、定量的な判断が難しいので本当に最善と言えるのかは今後の研究課題となりそうです。特に今回は放銃せずともアガれなければラスのままで終わりやすい点数状況で、カン3sの場況がよいのでできれば受け入れとして残したいというのもあります。

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 リーチが入っていなければ3pをツモ切る手牌ですが、リーチに押す牌が少ないように打6m。妥当なところであるとは思いますが、このあたりも検証が待たれるところです。

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