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もっと食うための現代大食技術論番外編第2回「かれーやさんリトルショップ」

 東大将棋部に入って間もなくの話。昼休みに先輩方から紹介したいところがあると連れていかれたのがこのお店。前回の「苗場」のように、ガッツリ食べられるお店は大学近くにもあるのだが、裏口から渋谷方面に徒歩で15分弱。ログハウスのような外観で、名前の通り小さなお店。当時は食べログも無ければデカ盛りを紹介しているサイトもまだほとんど無かった頃。知る人ぞ知るお店だったが、それでも行列が結構出来ていた。

 大学の先輩が後輩をデカ盛りのお店に連れていき、胃袋と意地を試すというのはよくある話。画像を見れば分かるようにお皿はかなり大きいうえに底がある。大量のご飯が見えなくなるまで大量にルーをかけ、これでもかとトッピングが盛られる。将棋部の先輩は心優しい方なので、量がかなり多く、大盛りは覚悟して挑めと事前に知らされていたが、大盛りを完食できたのは私だけ。後に学生名人となる某氏は小食なので普通盛りも完食できず洗礼を受けていた笑 私が楽勝で大盛りを完食していて先輩が驚かれていたが、当時の私にとっては結構なボリュームで、完食できたのは量が気にならないくらい美味かったからに他ならない。

 東京は何を食べるにしても高いし、大して美味くないと両親がよく言っていたが、それは高くて大して美味くなくても人が入る観光客向けの店にしか入ったことがなかったからだろう。「東京はこんな美味いものが、しかも安価で食べられるんだ」と感動したお店は多々あるが、その中でも不動のNo.1である。

 それから必ず週1で通うようになっていた。往復30分弱かかるうえに行列が出来るので、講義に出席できるように3限目が無い日か、2限目が無い日に早めにお店に行くようにした。それ以外の日は生協でパンやおにぎりやカップ麺を買って食べていたが、学食に行くことはほとんど無かった。このお店を知ってしまっては、学食のカレーはとても食べる気がしなかったのだ。

 「リトルショップ」は将棋部員行きつけのお店だったが、私がもう1つ所属していたゲームサークル内でも伝説と化していたお店だった。部員が作成した用語辞典の中にこのお店が登場するのだが、そこには「店主の夢はカレーで人を殺すこと。」と書いてあった。確かにカレーの「犠牲者」が出るたびに、店主は満面の笑みを浮かべている。そして私自身が、同輩や後輩を何人もここに連れてきては犠牲者を輩出し、店主の夢に加担するようになっていた(笑) 

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