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またまたライブ後記。

やればやるほど、バンドというものは訳がわからない。

この時代において、今だに現場至上主義が蔓延っているのも気持ちの悪い話ではあるが、確かに、システムは昔から変わっていないのだろう。まずはライブハウスでライブをする。お客さんがいないところでやって、店長やスタッフと関係を築き段々と規模を大きくしていく。そして同世代のバンドたちと切磋琢磨しながらだんだんとtwitterのフォロワー数を増やしていき、中規模のサーキットくらいに呼ばれるようになる。そこまでの間でレーベルの人に声をかけられメジャー入りを果たし、いつの日か大きなタイアップをこなして見事大ヒットバンドへと成長、その後いくつかタイアップでヒット作を作れれば見事お茶の間の知名度を獲得する。

この道筋をいまだに追っているバンドは無数にいる。星の数ほどだし、下北沢なんか自転車の数より多いだろう。だがはたしてこのレールは後何年持つのだろうか、というところに疑問は残る。というかもうすでに廃線同然だと思う。

ここ数年のシーンを見れば分かる通りまずレーベルが持ってくる仕事の効力が弱まっている。ドラマやアニメで全くヒットしていない曲が爆増していて、若者のテレビ離れとかまあそんなトピックと接続する。じゃあなにがいいのかって強いていうならデカいフェスに出られるとか、せいぜいそんなもんだろう。残るは雑誌とか、音楽番組とか、そんなもんだけで言ってしまえばもはやアーティストの欲を満たすだけである。誰かに憧れた彼らが「ごっこ」をさせてもらえる権利だけであり、正直そんなもの出たところで規模の拡大にはつながらず現状いるファンを喜ばすためのもので、だったらインスタライブでもやった方がいいし箔がつくとかいってもだれも見てなきゃ意味がない。

じゃあ今の時代どうやって売れるかって言ったらやっぱりTikTokなんだと思う。とくにバンドはね。現状拡散性とランダム性でいえばどの媒体にも負けないツールで、インディーアーティストが最も欲する力を持っている。一昔前はYoutubeの時代だと言われ、アルゴリズムもギャンブル性があって意外な発掘がされていたがバンドでいえばブランデー戦記が最後になるのだろう。と思う。Youtubeの自主広告もVaundyが最後の成功者になった。もはやこうなってしまうとその道は厳しい。自主広告のチャンスというのは潮目を読まなければいけない。ここらへんはまた別で記す方がいいかも。

とりあえず、いまTikTokで人気を博しているアーティストが確実にチャートの覇権を握っている状態でここをやらないのはありえない。とはいえ、まじでむずい。いわゆる内部の人間たちが形成しているいくつかの大きな界隈があってそのどれかに気に入られれば一気にファンを拡大する状態で、そのなかで今一番大きな覇権を持っているのが邦ロックという奴だ。だが既にヤングスキニーという成功者が出、次いでねぐせ。やConton Candyらが完全に乗りこなした。音楽番組にも出るようになり、それはレーベルパワーではなくtiktok パワーそのものだ。次は、邦ロック界隈にクソバンドが増えて元気がなくなってきたところでサブカル女界隈で超⭐️社会的サンダルがいま勢いを増している。もしもこのままオニザワマシロが音楽を聞かない層にまで名が広まれば確実にニュースターになるのではないか、そのためにはかやゆーのように問題児化するしかないのか、と思うとなかなか苦しいものあるが信者数を増やして世間的に言うイタイ奴らが増えればいいのかもしれない。

まあそんな程度でtiktokでのヒットとはさまざまな界隈の規模の増減に合わせて波に乗れるかどうかにかかっているのだ。

立ち返って、自爆を見てみるとはっきり言って異端児である。

つまり曲が先行して売れて、ファンがいて、ファンが拡散することで生まれてきたヒットとは参考にならない状態だ。

自らあげた動画で100kを叩き出し、その後も20k 30k動画を連発、平均再生回数12,038回という驚異的な数字を叩き出している。しかもカバーはその中で僅か3本、twist and shoutと銀杏BOYZ2曲だがカバーでのプッシュはほぼ受けておらず平均再生よりも下回っている状態で、完全に自主音源だけでここまで再生されているバンドは断言しよう、いない。

すでに人気があって、とか活動〜日目!みたいな企画系動画やっているタイプはいるがそれでもMVで100k動画は一個もない。これはもはや快挙であり、ヤングスキニーたちがやってきた、その界隈に受ける曲のカバーをしてファンを取り込む作戦を全く使わずして現時点の成績を叩き出しているのはやばいのだ。

だがしかし、我々にも問題はある。

それは、ライバルがいないと言うことだ。

我々のバンドはインターネット主体で成果を出しておきながらライブは実力派の道を進もうとしている。この点、唯一重なるのは神聖かまってちゃんのみではないかと思う。だが彼らの反省というのは媒体の変化で機能しづらくなっている。かれらは、ニコニコ生配信や2chan掲示板で知名度、人気を獲得しながらライブで話題性を得ていき、信者を抱え、確実な基盤を形成したのちに進撃の巨人で大ヒット、フォロワーバンドまで生まれた。

となると、我々が学ぶべき点はここからはライブでの話題作り、現場での実績を積むこと、なのではないかと思っている。

はっきり言って我々はライブ本数が同世代のバンドに比べたらめちゃくちゃ少ない。バイトで出演費を稼ぎながら毎週ライブというスタイルはいまだに現役だし、むしろこの方が多い中、月2本でやってきた。 

もちろん、売れるという軸において意味もなくがむしゃらにライブハウスへお金を払い続けてもただ燃え尽きるだけで賢くやる必要はあるのだが俺は最近そっちでしか鍛え上げられないものがあるのだということに気がついている。

もし仮に、今年一年この調子でライブ本数を増やしてコアファンが付くようになってればこのバンドはしばらくはやっていけるだろう。シーンのカウンター的存在としてずっと『邦ロック』をやっているだけでもどうにか生きていけるかもしれない。

だから今年一年は本当に勝負の年なのだ。Tiktok1600人のフォロワーをどこまでコアにさせられるか、そのためには実力あるライブで説得力を持たせて訴えかけるかにかかってくると思う。だからことしは足踏みせず全力で行きます。いっぱいライブの経験をして、曲を作って、ボコボコに打ちのめされるのもよし、大滑りして萎えるのもよし、大きな事件やトラブルを巻き起こすのも構わない、完全に自爆は次のステップへ進んでいる。

そしていつの日か、我々が前人未到のルートを開拓した時に、誰もやったことのないことをやろうと思った若い少年少女たちの遺産になるように、このnoteを残します。

やってやる。新時代のヒーローになる算段はできている。

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