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ベトナムのコロナ対策ロボット同時多発リリースに見る強かさとポテンシャル

マガジンつくったけど参加できてない問題

4月1日に『コロナで変わった世界の暮らし』というマガジンをつくった。

「おぉ、エイプリルフールだったんだ」と今気づいたけど、今気づいたことからも、このマガジンは4月の嘘ではない。というよりコロナ絡みの嘘なんてついた日にゃあ365日いつでもリンチリンチのデヴィット・リンチだ。なおリンチの語源は人名なので、スペルは同じ"Lynch"である。そして私が映画史上もっとも怯えたものは彼の出世作(イレイザーヘッド)だ。

閑話休題!!

前述のマガジンは、私が編集長をしていたサイトで関係ができたライターのみなさんに提案したのがきっかけ。みなさんが住む世界各地の現状を淡々と平熱でお伝えしていっている。にもかかわらず言い出しっぺの自分は今ベトナムにいないので、これといって書けずに「申し訳ねぇっす」と思っていた。おためごかし…でもないのだが、SNSでシェアして、なんだかなって。

コロナで変わったベトナムの暮らし、書けそうだ。

そんな折、とあるリサーチ案件をいただいた。

「コロナによって起きたベトナム生活・サービスの変化」というお題。おーこれこそコロナで変わったベトナムの暮らしじゃないか。現地在住者やメディアといった素敵なベトナム関係者の方々にご協力いただきまして仕事は完遂、それが先日ぽつぽつと、クライアントのサイトで公開されはじめたところなので、そんなリンク先を紹介しつつなにかしら書こうと思います。

「なにかしら」と妙な言い回しなのは、内容は被らせられないからね。一生懸命最低限核心的なことを書かないのでみなさんぜひリンク飛んでくださいな。何にしろ、ようやくマガジンにまともに参加できることが私はうれしいです。まぁ、ベトナムはもうロックダウンを追えて、在住の方によると「ほぼほぼ日常に戻った」とのことなんですけどね。経済的被害は甚大だが…。

ベトナムの官民ロボットが大活躍

産業用ロボット市場が拡大中のベトナムで医療用ロボットが活躍

ベトナム各地で、政府系組織や大学などでロボット開発と医療機関への提供スタート。簡単な話、「人と人との接触を避けたいならロボットの出番っしょ」という発想。至極全う。ある場所によっては人間スタッフの3人力なんて話も聞いているし、なにより政府が動いたというのがデカいので、コロナ後もベトナムの病院ではロボットが走り回るんではないでしょうか。以前から、病床が足りないのか廊下に出されたベッドで患者が寝ている、その家族が病院敷地内に寝泊まりしている、まるで野戦病院だ、なんて話もよく聞いていたベトナムホスピタルですが、どんな未来絵図に描くのでしょう。

でも、ふしぎとこの手の話(コロナ対策ロボット)は、ロボット産業ではまぁまぁトップグループ…だというイメージの日本では一度も聞かない。

で、あれー?と思って調べたら、あるにはあった。

4/9:【飲食店の新型コロナ対策】居酒屋に配膳ロボットを導入 調理・配膳ロボットが人との接触を減らし、業務の自動化を推進

5/20:運搬ロボット【サウザー】のDoog、コロナウィルス軽症者等を受け入れる宿泊療養施設での無人配送ロボットの導入検証に協力。

5/19:新型コロナ感染症の病棟でアバターロボット(遠隔操作ロボット)活用中 ISO総合研究所が「オムニロボ」の写真を公開

あんま話題にならないもんだな。あー。

うがった見方と承知で言うけど、テレビのコロナネタは「日本ってこんなひどいんですよ!」という論調が前提にあって、前向きなアイデアやプロダクトを紹介してる気配ないな。こういうところからそれこそコロナ後にも根付くサービスが生まれるし、みんな勇気づけられると思うんだけど。残念…。

それは置いといて。ここでひとつ日本とベトナムに違いがあるなと思ったのは、開発元が、日本はメーカーで、ベトナムは大学が中心。となると日本は商売としての成立が前提になるんだから、売るための施策も要らない、なんなら国からお金も入っているであろう大学開発の方がスピード感はありそうだよね(実際似たロボットでもベトナムの方は3月にリリースしている)。

そもそもベトナムってめちゃ数字に強くて、数学オリンピック常勝国。日本だと数学オリンピックという存在自体知られてなさそう、というか俺自身ベトナムで暮らすまで聞いたこともなかった(理系なのに)。よく「真面目で勤勉」と評される国民性だけど俺それちょっと正確じゃないと思っていて、「ひとつのことに対する集中力が高い」と思うんだよな。逆にマルチワークができないって言われるけど。そのへんは稼ぎ方が多様化していく中で解消されていくのではと考えているが。ハングリー精神が人を教育する。

で、「集中力が高い」という話。どんな学問だってそれがあるに越したことはない性質だけど、数学はとりわけ向いている気がする。だから、それが基礎にあるロボット産業がこれからも盛り上がっていくのは、想像に容易い。

話がとっ散らかっちゃって悪いけど。数学が強いということとはまた別に、ベトナムは国策としてIT人材を各大学で輩出しまくっていて、日本ふくむ外資系企業がオフショア拠点をベトナムにつくることで、「エンジニアなら稼げる」という状況をつくりあげていった。それが今、よく知らない国のよく知らないサービスを指示通りつくるより、ベトナム人によるベトナム人のための国産サービスの方に向いていっていると思う。4年も前に書いたこの記事が、外国人の自分にも目に見える形としてあらわれはじめている。

ベトナムIT業界に起こる「オフショア疲れ」--対応を迫られる日本企業

ちなみにこれが公開された当時、あるオフショア関連の方からお叱りをいただいた。でも、年々ベトナムでスタートアップが増え、資金調達のニュースを見るたびに、「やっぱり間違いなかった」と思うのです。

まったくまとまってねぇけど、とにもかくにも「ベトナムここから技術的にもすごい発展する」って話。また次のリサーチ記事が上がってきたらなんか書きますわ。

ぜんぶうまい棒につぎこみます