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今更ワンピースフィルムレッド見た。暁の輝く今日に。後編

そんなこんなで、やっと映画を見に行けました。
ワンピースフィルムレッドを見るまでの経緯はこちら↓


こんな感じでウタちゃんへの気持ちを熟成させた私が、映画をみてストーリーがあまり好きでなかったらどうしよう?熱々なこの気持ちも冷めちゃうのかなぁとか少し思っていました。


結論から言います。
ウタは最高の女でした。生まれてくれてありがとう。

映画自体は割と良い評判を耳にしていましたが、期待するとこんなもかと思ってしまうので本当にウタちゃんのライブを見る感覚で行きました。
ワンピースの設定とキャラクターを朧げにしか記憶していない私ですが、置いてかれることも特になく最後まで観れました。

ここからはネタバレ無しの感想を書きますのでご安心下さい。
ネタバレを含む感想は下の方に改めて注意書きしておきます。



ネタバレ無し感想

全体評

ストーリーは原作者尾田栄一郎さん担当、監督はコードギアス等で知られる谷口悟朗さんです。
谷口さん作品はいくつか観てきましたが、どの作品も好きなので名前を覚えたくらいには好きな監督さんです。

見終えた後は、ワンピースという作品をここまで綺麗に料理をしてくれてありがとうございます。としか言えませんでした。
そりゃ好きな作品を作る傾向にある人なんだから私に刺さるだろう。
って位綺麗に刺さりました。

知らないキャラや懐かしのキャラも出ており、正直どんな人達なのかは全く分かっていませんでしたが、演出のさじ加減でむしろ気になってくる。
個人的にはお兄ちゃんと会えなくなると泣いちゃう人がツボでした。

ワンピースのお話が好きな人はもちろん、作品を知らないadoさんが好きな人にだって楽しめる仕上がり。
この様に書くと、世間ウケする無難な感じてまとめられているのでしょうと思うかもしれません。
実際に映画公開前は恒例のとりあえず叩く人らも風物詩でいましたしね。
でもいざ公開されるとそんな有象無象は消え去ったような盛り上がり。
素晴らしいですね。

ストーリーの持っていき方、各キャラクターの魅せ方、熱いバトルシーン、タイミングを間違えない回想シーンの挿入。ここぞの楽曲。そしてラストの幕引き。
どれをとっても本当に素晴らしい流れを見せられたと思いました。

ウタについて

そして私の本命、ウタちゃんのライブですが、丸々一曲分もやってくれるの!?とウタ信者として見に行った私としては大興奮でした。
ダンスも凄く踊る。めっちゃ動く。まさにライブをみにいったで差し支えない出来。

全編通して楽曲はフルで流れますが、これがまた違和感のない仕上がりかつストーリーも盛り上げます。
先ほども書きましたが、BGMとストーリーが上手く噛みあい進んでいくのは気持ちいいです。

映画を見る前は、この楽曲達は映画の場面によっては浮かないのかな?と思っていましたが、ただの杞憂でした。
見所はライブをしながら始まる戦闘シーン。
ウタ自身が戦う所もありますが、これがカッコいい。強い女。
そして歌で観客を堕としにかかってる感じが凄い。これは映画を観に来ている人はみんなウタに堕ちたな。

ウタに対するストーリーもよく出来ていて、シャンクスの娘、ルフィの幼馴染、こんな一歩間違えたら蛇足になりそうな後付け設定を違和感なく落とし込んで感動すら与えてきます。

そしてラストの戦いはライブ感覚とは違いますが圧巻。
ここだけでも何回もみれる。


個人的感想

私はキャラクターよりもストーリーを重視するタイプなのですが、作品のお話が面白くて気にいる事はあっても、その後ずっと心に刺さって抜けない作品にはならない事が多いです。普通に好き位の熱量。

というのも映像作品に限らずですが、ストーリー、BGM、終わり方の全てが上手く噛み合って、観ている側を高揚させる纏まりをみせつけられた時、私は自分自身が沼にハマると思っています。
これはその人の好みが現れてしまうので、ハマる経緯はみんな違うと理解してます。どの様に沼るかは人それぞれですけどね。

そしてその纏まりが素晴らしい作品はここ最近出会ってなかった様に思います。
ましてや映画で言うと2時間そこらで起承転結しっかりして、世界観詰め込んだ作品に仕立てるのは物凄い職人技の様な世界なんだっていうのは、唯の消費者ですがなんとなくわかります。

そんな中でフィルムレッドはここ近年で味わえなかった感動と余韻を私に与えてくれました。
語彙力の欠如ですが、最高としか言えない。

私は個人的に、谷口さんの作品は物語の幕引きが上手い印象があります。
これで終わってしまうんだ……この続きをいつまでも見ていたいような名残惜しい気持ちと余韻。
私はフィルムレッドにもその流れを感じたので、谷口さん作品が肌に合う方には特におすすめかな。
また何度でも観たいと思う作品です。




補足としてですが、刺さる作品に出会ってこなかったっていうこの気持ちの流れに対する詳しい感想はまたいつか詳しくnoteに纏めますね。



さて、ここからはネタバレありの本題に入ります。

ネタバレあり感想

上に書いた感想に詳しいお気持ち乗せますね。
本当に文句のつけようがない映画でした。

大体の映画は、最初にルフィ達がこの島に来た経緯とか入れますけどそんなのいらねぇバリにライブ会場入りしてます。潔い。
少しくどいくらいに説明されても時間もったいないのでこれで良いです。
このあっさり具合もちゃんと意味があるの凄い。
詳しく描写しちゃうと、実は夢の中だったという現実と夢の切り替え描写にも時間を割かなきゃいけなくなるので一挙両得。設定勝ち。

最初のライブ、「新世界」を歌い終わって泣いちゃうウタ。
感極まったのもあると思うが最後まで見ると、この涙は覚悟の末もう戻れない事への一抹の不安とか覚悟とかも混じった涙なのかなって考えると…本当ウタちゃん尊い。

劇中の歌唱シーン、とくに戦闘では「私は最強」で魔法少女アニメのようにバトル衣装に変身して敵を蹴散らし、「逆光」で悪党ぶっとばしながら、「ウタカタララバイ」で味方を操り戦っていました。段々と凄みのある曲調になっていきミュージカルのようになっていくのがカッコいい。
ウタカタララバイでは歌を聴くとウタの世界に堕ちるので聞かないように頑張ってましたが、こっちはもう堕ちてます。ウタ、やってしまえ。
最後、「Tot Musica」ではここに至るまでの演出が大好き。
キノコのせいで少しずつ狂い始めた思考に気付かずズレていく。そしてもうすぐ死んでしまうウタ。その退廃的な演出がもう…すき。
あのサイコパスじみた狂気のお顔が私大好きでございます。
これは「Tot Musica」のPV見ても最高に良いお顔してるので何回でも拝めますね。
ここのラストバトルは言わずもがな最高の演出。同時攻撃とか激熱の展開に各キャラの見せ場もふんだんに用意されており、メインディッシュをくらえー!!とばかりにフルコース料理を投げつけられます。熱すぎます。
「Tot Musica」は正に破滅の譜の名に恥じないこの戦闘に相応しすぎる迫力を持たせてくれました。

少し言うとするならば、シャンクスの仲間にあまり感情移入できるシーンが少ない事ですかね。アニメや原作追っていればいれば良かったかもしれませんが。
あと、魔王を倒した後すぐにウタが倒れていたので、シャンクスとルフィがラスボス殴った後にでも意識を飲まれたウタを解放するシーンというかなんか欲しかった。すみませんもはや限界オタクです。

まとめ

見る作品が多くなるほど経験値が溜まるのか、つい先読みしてしまい、やっぱりねの連続で大体がつまらない結果になったりもするのですが、そんなものすら蹴散らしてこちらを引き込んできます。ひたすらに続きが気になっている観客です。

先読みする余地は正直あります。どうせ最後はそうなるんでしょうねっていう。ウタが死んでしまう事は予定調和といいますか、その結末は変えないで欲しい派。
助かって欲しいですが、彼女の覚悟は自分が助かる薬渡されたからって安易に飲むものじゃないんです。

これは個人的な趣向と主観なのですが、私は死んでしまう事で涙を誘う展開は正直大好きです。私の好きなキャラは大体死んでます。なぜ。
でもそこに至るストーリーは大抵感動に誘ってくれます。そのキャラが最後の場面へ向かうまでの、命の輝きを魅せる為に用意された物語は練りに練った最高の舞台。それに魅力を感じざるおえない。
だからこそ最後の大舞台ともいえる亡くなってしまうシーンが大好きなのかもしれません。
まぁ死んで安易に感動させないでという意見もありますけどね。

そんな感じで、ウタの物語も感動のあるものでした。
エレジアに置いていかれた彼女の悲しみを思うと今でも泣きそう。
劇中で少しづつ明かされていくシャンクスとウタの出会いや、実はウタを守る為に泣きながら置いていった事。
ウタは何十年も悲しみや怒りを熟成させていたのでしょうか。でも会いたいけど会いたくなかった。この言葉に全てが詰まっているのでしょうね。彼女の気持ちを慮ると胸がいっぱいになります。

ウタの心境と重なる「世界のつづき」を歌いながら夕日は沈み、命が消えゆきます。
最後のルフィとの邂逅、新時代をルフィに託して消えてしまうウタに涙なしでいられましょうか……。
この夕日のシーンがとても好きです。


フィルムレッドは「風のゆくえ」が流れ、ウタの歌は世界中を駆け巡り物語は締めくくられます。
ここまでの流れが本当に素晴らしく良かったです。これがワンピース最後の映画だったとしても満足。

ワンピースはルフィの心情が語られる場面は余りないように感じます。
そんなルフィが最後にサニー号を撫でるシーン。ウタの力で動いていたサニーはもう動きません。
サニーにウタとの約束や、もしかしたら悲しみも含んだ何かを込めて撫でたのではないでしょうか。ここが尊い…
ウタに託された新時代もルフィは背負っていくのでしょう。そこを全て含んだ上で、最後の「海賊王に俺はなる!!!」ですよ。
もうこれ以上の終わり方ってあります??

ワンピースのキャラクターも一枚絵で沢山出ますし、ワンピース再履修して再度挑みたい映画です。


おわりに

ウタちゃんはこの現実世界において幸運なことに歌姫として活躍しています。
彼女の夢のつづきにまた会える幸せに浸りながら、私はウタの曲をまた聞くのでしょうね。

出会えてよかった映画です。



おわり

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