不注意で生きてる
※2021年3月30日に書いた日記を再掲します※
起きると、そこは戦場だった。
「こうやって普通の人が誰かを殺して『兵士』になって相手も誰かを殺して兵士になっていくのね」
と誰かが言った。
女だと、他の人にバレないようにしなくてはいけない。
菅田将暉と仲間同士、心理戦の殺し合い。菅田将暉、わたし、あなたのことが好きなの。愛してるの。
ふいに海に飲み込まれてそこはビーチになった。
実家で暇してた犬も連れてウォータースライダー。見たことのない、華麗な犬掻きでこちらに向かってくる、実家の犬。
ハワイの家族と仲良くなって「アロハ〜」と挨拶し合う。ほんとにアロハって言うんだな。
ハワイの家族に、サーフィンを教えてもらった。またそこからみんなでウォータースライダー。
起きた。
怒涛のカオス忙殺土日を切り抜け、やっとまともな2連休。
「わたしは年収1100万円だからこんなものいらねえんだよ!!」となぜか年収マウント取ってきて逆ギレしてきたババァを思い出し、イライラ。10時。セブンイレブンで印刷しなきゃいけないものがある。ついでに八百屋さんとドラッグストアにも寄ろう。
よくわかんないけど11時になってデカいエコバッグ集めてセブンイレブン、八百屋、銀行、ドラッグストア。家。
よくわからないけど13時になっちゃう。
13:30から友達に教えてもらった心療内科を予約している。ほんとは14:30なんだけど、問診票を書かなきゃいけないから1時間前に行かなきゃ行けない。これは心療内科では割と当たり前なんだけど、知らない人もいるんだろうなぁ。と思いながらセブンイレブンで印刷した問診票を電車に乗りながら書く。
大学から今日に至るまでに体調不良とメンタルの不調でぐちゃぐちゃ。電車に乗ると、いつも涙が出た。タオルハンカチは毎日欠かせない必須アイテムになった。
地図では近いはずなのに全然心療内科の名前がない。ビルの看板をぐるぐるみながら汗だくでたどり着いた心療内科はバイト先の目と鼻の先だった。なんでこんなにぐるぐるしたんだ??
「すみません、道に迷ってしまって」
年季の入った、木製の椅子の角度は垂直で全く安らげなさそうな様子でズラリと揃っている。誰もいない。
受付の人は声が小さい。
結構な量の問診票、あと心理テストを渡されて書く。ちゃんとしてるな、と思って少し安心した。こういうの、就活でも死ぬほどやらされたんだよな。
通された部屋には、清潔感のある国語の先生みたいな聡明そうなおじさん。これもまた、年季の入った木の高い机で結構遠くにいて、その真ん中をビニールシートが区切る。あんまりよく聞こえないところもあったけど聞き返せないのもわたしの悪いクセ。
先生が、「大人のADHD」という小冊子を開く。1ページずつ確認されると、わたしは「ADHD不注意」の項目を全て制覇していた。どれも、最近すごく心当たりのあるものばかり。忘れっぽい、スケジュール通りに動けない、途中で集中力が切れる。
「このことで生活で支障が出たことはありますか?」
なんだか裁判みたいだ。
「あります。」
有罪。
時間に厳しい人に怒られる。ミスして怒られも忘れっぽいからまた同じミスをする。そてみ重ねたものが「人としておかしい」のだった。
「不注意によるストレスが減れば睡眠薬も減らすことができるかもしれませんね」
国語の先生みたいだ。
高校の時の国語の先生は、とても優しく、寝ている生徒がいればみんなでいたずらして起こす。勉強じゃないみたいな、かたりべのような語り口だった。
ある日、その国語の先生が、「わたしの好きな言葉」を黒板に書く。
「過酷」、という文字だった。
未だにその意味がわからないまま、20代も後半に差し掛かってしまった。
処方されたADHD不注意の薬は、睡眠薬と一緒に処方してもらったら5200円。あらゆる毛穴から変な汗が出た。
こんなに課金してまで生きる意味はあるのだろうか。
ソシャゲだったら5000円でどれだけ強くなれるの?
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