手羽先事件2004


この話は私が中学2年生の時まで遡るーーーーー






とある休日、私は昼過ぎに起きて冷蔵庫を開けた。


そこには雑にラップに包まれた手羽先が大量に置いてあった。


私は手羽先は好きだけど、手羽先を食べると指がテカテカになり携帯触れなくなるのが嫌で手羽先に対して少し苦手意識はあった。

しかしお腹は空いてたので私はその手羽先を温めた。
カリカリになった手羽先って美味しいですよね。

大量にあった手羽先を全て食べ尽くした私は


仲良しの友達のレイチェルの家へ遊びに行った。
(家から徒歩5分)


レイチェルの家へ到着すると、レイチェルは下妻物語を観ていた。
私も大好きなので一緒に観ていた。


下妻物語を2週した頃に





私は自分の身体に違和感を覚えた。















お腹が…痛い。







返せはしないけどレイチェル宅のトイレを借りてしばらく籠った。
しかしこの痛みは並ならぬ痛みで冷や汗も止まらない…





しばらくするとピークが過ぎ去り
私はトイレから出た。



するとレイチェルは下妻物語の3週目に差し掛かっていた。休む間もなく。






その数分後





再び腹痛に襲われ再びトイレへ篭った。





かれこれ一時間以上篭って、私の心もお尻も限界になっていた。




14歳というまだまだ短い人生の中で、なぜこんなに辛い腹痛に見舞われるのか…


いや、以前にもあった…10円玉ゲームをしていて誤って10円玉を飲み込んでしまった時だ…



あの痛さは本当に尋常じゃなかった。




なんてことだ。
あんなに痛かったのにその痛さを今の今まで忘れていた…
人はこうして痛みを忘れてしまうのね…
あゝ…








ピークが過ぎてトイレを出たら、日も落ちて真っ暗になった部屋に下妻物語がずっと流れている。



ボロボロになった私が目をやる先には
テレビの光でシルエット化したレイチェルの後ろ姿があり、今でも覚えています。





多分その頃には下妻物語、5週目に突入。







「どんだけトイレ行くんだよw」

レイチェルが言った。

「分からない…でもめちゃくちゃお腹痛い…あ…まただ…またきたよ…もう嫌だよ…トイレ借りるね」




バタン…




再びトイレに篭った…





多分2時間くらい篭っていたと思う。
お尻が痺れて感覚もない。
ただただひたすらに腹痛に襲われる華の14歳…



こんなの華もクソもない…あ…







そして、再びピークが過ぎてまたトイレに籠るのを何度も繰り返し気が付けば夜の22時に。


その頃にはお腹の調子もだいぶ落ち着いていた。






下妻物語を多分6週ほどしたレイチェルの事情聴取が始まる。



レイチェル「今日なに食べたの?」




「えっと…あ!手羽先…」



レイチェル「それだけ?その手羽先は腐ってない?新しいもの?」





「うん、昨日お母さんが買って来てたっぽいから大丈夫。めちゃくちゃカリカリで美味しかったよ」





レイチェル「え、もしかして揚げ直したの??あんたが!?」







「揚げてないよ!なんかラップで巻かれてたからそのまままとめてレンジで温めた!」






するとレイチェルの表情が一気になにかを堪える様なものへと変わった…

まるで笑いを堪えるかのように…

そしてこう言った






レイチェル「レンジではカリカリにならないよ…?






ねぇ、もしかしてオーブントースター使った?」










その頃の私は、レンジとオーブントースターを同じ物として認識してしまっていたので理解するのに少々時間を要した。



「オーブントースターか!多分それかも!カリカリになったから!」




レイチェル「ねぇバカ!!!ラップしたままオーブントースターに入れたらラップ溶けちゃうよ!?!?!?


あんたラップ食べたんだよ!!!!」








これもまた理解するのに時間を要した。






思い出してみると…
たしかに温めた後に雑に巻かれていたはずのラップが無くなってた気がする…




そしてやたらカリカリになっていた手羽先…















あ、私…






サランラップが染み込んだ手羽先食べたわ。









全てを悟った。




カリカリしてたのは溶けたサランラップだったんだ…






レイチェルは腹を抱えた笑い転げていた。
涙まで流しながら。












皆さん
手羽先や揚げ物をオーブントースターで温める時は
サランラップではダメです。
絶対ダメです。











アルミホイルを使いましょう。








電子レンジではアルミホイルではなく、サランラップを使いましょう。







この話は大人になった今でもレイチェルは色んな人に話のネタとして語り受け継がれている。











これが手羽先事件2004の全貌である。










〜fin〜











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