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【新卒社会人】なんか最近感情が薄れてきているように思う

 晴れて念願の社会人になった。4月には社会人になって初めてのお給料をもらい、狭い部屋で、一人つつましく生活を送っている。4月は研修で、なおかつ周りも優しい人ばかりだったというのもあり、ありがたいことにあまり心を悩ませずに四月を無事に終えた。けれど、そんな私が今、仕事以外で危機に感じていることがある。それは、「感情が薄れてきている」ということだ。

 というか全体的に省エネになってきているなあと感じる。感情、衝動、情熱、興味そういった心の動きがあまりない。平穏という意味ではなく、心に色がない感じ。今までは音楽が好きで、お笑いが好きで、文房具が好きで、本が好きで、…好きな物の領域を広げるために、新しいアーティストを聞いてみたり、新しい作家の本を読んでみたりと、自分から楽しいものへ向かっていっていた。しかし今は既存で好きだったものにすらあまり触れない。ましてや新しく好きな物を増やそうとはしない。あの時無意識に、何も考えずにできていたことが、今となってはすごくエネルギーのいるものだったのだと気づいた。今までは散歩が好きで、古い建物を見ると感動して、不審者と間違われそうなぐらい、立ち止まってじろじろと眺めていたのに、今ではそういう建物を見ると、ああ古いなあという感想しか思い浮かばない。
 文章を書くことだってそうだ。私は今までなにかマイナス面でもプラス面でも心が動かされると定期的に文章が書きたくなった。実際に手を付けるまでうずうずして、ずっと心の中に引っかかっていて、書き始めると心の整理が出来て、…という一連の流れ。しかし今では、あまり書きたいという欲が湧かなくなってしまった。今書いているのは、その自分の省エネ化に抗って、無理矢理羽を動かそうとしているから。

 しかし恐ろしいことに、この心の省エネをしていても、苦ではないのだ。むしろ楽。楽しくはないけど。何だか感情が薄れてきてしまっているなあ、でもまあいっか。そう通り過ぎてしまえば、きっとなんてことはない。だからこそ、私は危機を感じている。

 そして、そのように心が省エネ化してしまっている理由として、おそらく「仕事」の方に沢山エネルギーを使ってしまっているから。精神的にも肉体的にも、「プライベート」に使うだけのエネルギーが残っていない。もしこの理由が本当に正しければ、仕事に慣れた瞬間で、ちゃんと心を動かすエネルギーを持てるようになるのだろうか。もしくはずっとこのまま、気づいたら年を取っていくのだろうか。考えれば考えるほど、途方もない気持ちになる。

社会に出るまでは、「ただ仕事をしていくだけじゃあな、小説とか、なんか別の趣味に没頭してみようかな」と思っていた。しかし今となっては、「仕事をしながらそのように別の趣味に没頭できる人は、エネルギーの総量が半端ない超人なのでは?」と感じる。

これからどうしていこう、無理矢理抗うのがいいのか、そのまま流されてエネルギーを温存するのが正解なのか、分からない。

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