同棲日記〜夏美の場合#2〜
今回の物件はこちら↓
アバン・パルク横浜 6階/603
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前回の続き
https://note.mu/nekoze777/n/nb36d2ec30c50
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自転車に乗った彼女。
パンクした僕を彼女が助けてくれた。
近くの自転車屋さんまで行くことになった。彼女はこのあたりをよく通るらしい。
ありがたい。僕はまだ先に行きたかったから。
自転車屋さんまでの間は沈黙が続いた。
何度か話をしようと会話を試みるが、うまく続かない。
彼女は話を止めようとしているわけではない。ただ、途切れる。
こういう時コミュ力がもっとあればなあと大学の知り合いを思い浮かべる。
初めて会う人と仲良く話せる人ばかりじゃないさ。と自分に言い聞かせる。
でもどうして助けてくれたんだろう。
まあいいか。
ちらっと横目に彼女を見る。
身長は僕と同じくらい。まっすぐ前を向いて歩いていた。
時折吹く風に、目を細める顔が可愛いと思った。
シャンプーの香りに心が躍った。
自転車屋さんへの道を2人で歩いていく。
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「今更なんだけどさぁ、あの時なんで助けてくれたの?」
和室でこたつに入る僕は天井を見ながら聞いた。
「ん?」
「いやあ、どうしてあの時声かけてくれたのかなあって思ってさ聞いたことなかったと思って。気になってたんだよね」
「ん〜ナイショ。」
「え〜なんだそれ。教えてよ笑」
「ナイショ笑」
こたつの中で互いの足をつつきながら笑った。
まあいっか。ベランダの外の景色を眺める。
「どうしてこんな広い家にしちゃったんだろうね。もっと駅から近くて狭いところでも良かったね」
「まだいうの?」
「だってさ〜結局和室に2人でいたら他の部屋使わずに勿体無いし、この和室は好きだけど」
「じゃあいいでしょ」
「まあね〜。でどうしてあの時助けてくれたの?」
「しつこい」
「はい」
気になるけどまあいっか。また今度聞いてみよう。
「今日夜どうする?」
「ん〜今日はおでんが食べたいな〜寒いし。エアコン付いてないもんあこの部屋。エアコン今度買いに行こうか」
「おでんいいね」
エアコンのことをスルーされたけどまあいいや。
「私ね」
「ん〜なに〜?」
「やっぱりなんでもない」
「なによ笑気になるわ笑!」
「さて、スーパー行ってこよう」
「一緒に行こう!」
「うん!」
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おしまい。
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