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同棲日記〜夏美の場合#1〜

今回の物件はこちら↓
アバン・パルク横浜 6階/603
https://www.homes.co.jp/chintai/b-1375970002369/?iskks=1

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ロードバイクに乗って風を切る

今日は気分がいい。

夕焼け空が眩しい。サングラスを会社に忘れてきてしまった。

横浜駅から国道1号線を道伝いに走れば我が家だ。
徒歩にしておよそ20分。一般的に、物件探しをする中で敬遠される距離だろう。
距離以外のデメリットは特に感じない。コンビニやスーパーも近くにある。
築18年にしては綺麗な印象だ。
家賃は約13万円。敷金2ヶ月礼金なしの3LDK。

僕たちはすぐにここに決めた。
彼女は畳の部屋があることをすごく気に入っていた。

夏は一緒にここでそうめんを一緒に食べたい。
冬はこたつを出してジェンガして遊ぼう。
自分たちの部屋があっても、この和室に2人で過ごす時間の方が多かった。
ベランダからの風を感じて一緒に昼寝をしよう。
こんなに大きい場所借りなくても良かったかもね笑



僕たちには駅までの距離なんて関係なかった。


彼女と出会ったのは僕が大学生2年の夏。
一人でロードバイクの旅をしている時に偶然出会う。


当時の僕は大学生活に、人生に飽きていた。毎日をダラダラと過ごし、友達とくだらない話をしながら笑う自分があまり好きではなかった。
そんな時にロードバイクに出会った。
長い距離を一人で、自分の足で漕いで進む感覚がとても嬉しかった。なんだか自分の人生も前に進んでいる気がした。

初めての一人旅。期待に胸を膨らませながら車輪を回す。
俺だってまだこんなもんじゃない。これからだ。
1人称が変わってしまうくらい自分に酔っていた。

ガシャン!ガシャン!ガシャン!

っと。

車輪のパンクだった。故障のことよりも、これ以上進めないことが残念だった。
倒れたロードバイクを横目に道路に座りこんだ…太陽が眩しい。


「どうした?大丈夫?」


急に声をかけられてびっくりしながら顔を上げる。
太陽が眩しい。

それが彼女との出会いだった。



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