#09【巍峡国史伝】天の章 伏せる月、ふるえる睡蓮
■前回のあらすじ■
蒲公英(ほくよう)は息抜きでやって来た謡谷(うただに)で、見た目は青年の、齢(よわい)七千歳の精霊と鉢合う。
その精霊蘿蔔曰く、ある時から封印されていた自分を安寧が今、蘇らせてくれたのだと言う。
彼の話の何もかもがきな臭く感じた蒲公英は警戒をしていたが、彼は落ち着いた様子でこの地の御伽草子「如月の祝典(きさらぎのしゅくてん)」を聞いたことがあるか?と聞いてきた。
彼は、それが実は本当に起こった事であり、自分も当時その中に居た。
その