#10【巍峡国史伝】天の章 伏せる月、ふるえる睡蓮
■前回のあらすじ■
蘿蔔(すずしろ)が犬御神(いぬみかみ)と話し終えた後、直ぐに蒲公英(ほくよう)と蘿蔔の間に割って入って来たのは、秋の七草の精霊である朝顔(ちょうがん)だった。
その後ろからは同じく秋の七草の尾花(びか)がやってきて、彼らは、「とある方の命により犬御神を保護する」と言う。
蘿蔔が朝顔と一閃、刀を交えると蒲公英は尾花に連れられてこの場から消えていた。
しかし、ほぼ神と同等の力を持つ蘿蔔はそれを見送り、尚且つ、戦いも継続せずに、一人残り