#08【巍峡国史伝】天の章 伏せる月、ふるえる睡蓮
■前回のあらすじ■
蒲公英(ほくよう)は、どこまでも桜の山が続く、母子山(ぼしざん)の隣の謡谷(うただに)に一人向かった。
ここには蒲公英は迷いなく来られるが、この地の別名は「死の森」と言われ、神をも迷わせる、一度入れば出られぬ森として有名な場所であった。
蒲公英は悩み事があるといつもここに一人で来ては自問自答し、整理をしているが、今回の一連の出来事はとても消化できるものではなく、時が経つのも忘れ、悶々と考え込んでいた。
いよいよ余計な事を考え始め