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【中編】SUNABACO八代滞在記 ~熊本県八代市で大人の棚卸し~

このnoteは猫山が2022年7月6日~9日間、熊本県八代市にある「SUNABACO八代」さんにお邪魔した時の旅行記【中編】です。本当に素晴らしかったSUNABACO八代。そして八代市。また行きたいってか、行くことになると思います。

2022年7月8日

《SUNABACO八代 3日目》

いよいよ今日はトークイベントの当日である。イベントは19時から。気合いを入れなければならない。

が、今日は朝から「キャニオニング」に連れて行っていただけることになっている。

キャニオニング。よくわからない。

ラフティングでも沢登りでもないようだ。ちなみにどっちもやったことはない。

いったいどんな遊びなのかと若干不安になるが、死ぬことはないだろうと思い車に乗る。


車で北東へ向かう。約20分ほど走るともう山の中に入っていく。

地図を見てもらえばわかるが、八代市は東西に長く、中心部は西側に位置する。そして中心部のすぐ西は海、すぐ東は山林となっており、海と山が近いのがわかる。

八代市観光情報より

また市内には球磨川、前川といった大きな河川も流れている。

海があり、山があり、そして大きな河川がある。

八代市の人々は豊かな自然資源に囲まれて生活している。

特に海と山が近いのがいい。どちらにもすぐいけるというのはとても贅沢なことだ。つくづく思う。川遊びと海遊び、どちらも選択可能だなんて僕からしたら信じられない。

だが、八代市の方が強く愛しているのは球磨川・前川なのではないだろうか。

古来より川は生活に密着していた。人の生活に川は欠かせない。きっと誇りに思っておられるのだろう。そんなことを思う。

車窓から地形をガン見していると、目的地である火の国屋に到着する。

来る前に、なかまこさん(@nakamakoko)カリンさん(@CarinWaka21)から説明を受けていた。

「キャニオニングをしているのは忍者です。」

ごめん、なにいってるかよくわかんない。

行ってみてわかる。ただ事じゃない忍者感。忍者屋敷的な何かがそこにあった。

これのでかい絵が貼ってあった気がする

奥から経営者が出て来る。山にこもった仙人(てか忍者)みたいなヤバい人が出て来るかと思ったら、スリムで優し気な方が出てきた。少しホッとする。『どの地区にも一人はいる困ったおじさん』的な人かと身構えていたが、とてもまともな方のよう。方言もナチュラルでイイ。

受付も済ませて着替えに入る。なかまこさんは同行せず、僕とカリンさんの2人で参加することに。

ウエットスーツ、手袋、膝当て、救命ベスト、ヘルメット、そして沢靴。装備は完璧でとても安心感がある。カリンさんはスマートなので体温が下がらないようウレタン素材のシートをウエットスーツの中に入れる。行き届いているのである。とても感心する。

そして、例の経営者がインストラクターとなり、呼称が「お頭」に代わる。お頭!と呼ばなければならない。ここからは我々は子分なのである。設定は大事である。

全行程はどれほどかと質問する。2時間半から3時間とのこと。

3時間。うそだろ。

僕も子供のころ川遊びはさんざんやったので、川がどれほど疲れるかは知ってる。3時間はキツイ。なんせもうオッサンなのである。

でも、もう引き返せない。子分になってしまったのだから。

スタート地点は遥か上流。送っていただきいよいよスタートである。

川まで下りる間、基本的な歩き方を教わる。不整地・斜面の安全な下り方。丁寧に教えていただける。

そして川に降り立つ。まずはドボンと行く。冷たいが、とても気持ちよくてすぐ慣れた。

ひとしきりびしょぬれとなったところで忍術・水とんの術を伝授される。そう、我々は忍者なのである。

これはそのうちの一つ、水の防御壁であり、水の壁で相手の攻撃を防ぐというもの。教わった通りにやるとできるものである。人生のどこかで「習っててよかった」と思う日が来るかもしれない。

カリンさんの水の防御壁 お見事

キャニオニングを簡単に説明すると、自分の身体のみで渓谷そのものを体感するアクティビティである。ラフティングのようにボートもなければ、ただの沢下りでもない。身体と渓谷が一体となるアクティビティだ。

具体的には、滝つぼに突っ込む、岸壁を登る(ボルダリング)、からの水面にダイブ、水切り、石積み、石立て、生物探索、そして緩やかな川流れ。

特にこの川流れが素晴らしかった。緩やかな流れの中にあおむけで浮かび、流されていく。自然と見え上げることになるが、木々のアーチが美しい。青い空と木漏れ日のコントラスト。聞こえるのは自然の音のみ。圧倒的な癒しの時間。自分が渓谷と一体になった錯覚に襲われる。

特筆したいのはお頭のインストラクターとしての安心感だ。細かな指示・指導があり、またそれがわかりやすく丁寧である。

登らせて飛び降りさせるという無茶を要求して来るが、言われたとおりにやると全然危ないことはなかった。これにはとても感心した。プロである。

聞けば修学旅行生を相手にすることもあるのだとか。これほど尖ったアクティビティをもう10年以上継続しているらしい。と言うことはその間に重大事故は無かったということだ。大きな事故があったら許可など下りないだろう。それほどに安全に配慮されているのだ。

カリンさんが言っておられたが、社員研修の一環として理想的かもしれない。ある程度の協力が必要であり、助け合う場面も多い。なにしろこの苦難(アクティビティである)を乗り越えた時の一体感はなかなかのものだと思う。ぜひ新人研修でお勧めしたいと思う。

結果、3時間はあっという間であった。全然飽きない。もう1時間は余裕で行けた。

ゴールは何と昨日川遊びをした場所であった。上流から下ってきたのだ。

この画面上から下ってきた

気になる写真だが、お頭がすべてGOPROで撮影してくれるので心配はない。かなりの量を撮影してくれる。どんな写真かはお頭のTwitterアカウント(@sleepingfiter)を見てもらうとわかりやすい。

大人、子供、どちらも楽しめる最高のアクティビティである。強く強くお勧めさせていただく。

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お昼を過ぎる。流石に身体を使ったのでお腹が減る。

なかまこさんが、きのう八代市役所でとんでもないちゃんぽんがあるとの情報を入手したらしく、そこでお昼をいただくことに。僕の地元ではちゃんぽんはほぼないため、とても嬉しい。

氷川町にある道の駅 竜北にそのちゃんぽんはあった。その名も「男前ちゃんぽん」。総重量は驚異の1.6キロ。圧巻である。二郎である。マシコールなしでコレである。

左が男前ちゃんぽん 右はノーマル 大きさが段違い

意を決して食らいつく。うまい!! いい味であり確かに男が好きな風味である。醤油とんこつ系であり、野菜のうまみもスゴイ。ニンニクが食欲を加速する。大量の野菜をかみしめる喜びに浸る。

だがなかなか麺までたどり着けない。天地返しをしながら食べ進めたが、残念ながら完食ならず。お店の人も残してもいいよという量である。

お値段から言って間違いなくお得なので、ガッツリ食べたい人は頼んで損はないと思う。また行きたくなる味である。

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SUNABACO八代に帰ってくる。もう夕方近い。

シャワーを浴びて少し寝ようかと思ったが、早速noteを書き始める。

いつもどおり2階の定位置で書き始めるが、なんだか寂しくなってきたので1階に下りて作業をする。

しゅんくん(@shun_SUNABACO)が話かけてくれる。しゅんくんは小柄なイケメンで、とてもおとなしい感じのする人物である。話してみるとK-POPが好きとのこと。こっちはTWICEの大ファンである。話が弾む。おっさんが韓流アイドルにブヒっている様をキモがられていないことを祈るばかりである。

トークイベントの会場設営が進む中、カンパネルラくん(@campa_rabb)がTWICEをかけてくれる。とても気の利く社員たちである。感心する。

ただし、ボスのなかまこさんは音楽関係の方でもあり、相当のこだわりがあるはず。k-POPをかけてると激怒するんじゃないかと思ったが、その時は知らんふりしようと決める。俺は頼んでないよ。カンパが勝手に……。これで逃げ切れる。

会場準備がてきぱきと進む。慣れたものである。手際がいい。見たことのない機材がセッティングされていく。

会場準備をしてくれるSUNABACO八代のみなさん

トークイベントなんて人生初の経験である。本来はもっと緊張していいはずだけど、まったく緊張してこない。まるで実家のような安心感。不思議である。

SUNABACO八代にきて、まだ3日も経っていないのに、僕はもうSUNABACO八代の一員の気分になっている。僕はそんなに厚かましい人間ではない。けど、そんな気分になっている。理屈は解らない。それが「場」の力であり、SUNABACOがこれまで慈しみながら育ててきたモノの力なのだろう。

時間をかけ、丁寧に育てられ、やっとで他者が実感できるようになったモノを、短い言葉で表現するのは不可能である。それは感じるしかないものだ。それこそが、真に価値があるものの一つの基準になりえる。

「僕が感じた不思議な安心感・承認感を、多くの人に体感してほしいな。」そんなことを考えながら開始を待つ。

今回のイベントでは、僕は素顔を晒さない。なのでお面を用意していただいていた。よく考えたらこういうアイテムは自分で用意すべきだよな。全くもって甘いなと自分で反省する。なんにせよありがたい。また気を使って僕のアップは抜かないとのこと。本当にご配慮いただいて申し訳ないです。

用意していただいたお面

徐々にお客様が入ってくる。いよいよ、開演の時間が迫る。

緊張はない。なかまこさんの能力は疑いがない。僕は流れに乗って喋ればいいだけだ。

約1年前、次のステップとして始めたnoteの連載。それが今、結実しようとしている。こんな嬉しいことがあろうか。

僕は、いまここにいるだけで、いさせてもらえるだけで、人生が報われた気分になっている。感謝してもしきれない。

さあ、恩を返そう。



《後編へ続きます!!》


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