旅行記 / 瀬戸内海 穏やかな海辺をサイクリング&散策 (2022/09)
心地良い風に吹かれて、瀬戸内海に浮かぶ島々を巡りました。
祖谷(いや)のかずら橋に瀬戸内しまなみ海道、そして瀬戸内の観光列車。本当は一年前に行きたかったんですが、大雨予報で無念の延期としました。そしてついに!一年待った甲斐がありました。いろんな意味で記憶に残った今回の旅行、それではスタートしましょう…。
何に乗って、どこへ行ったか
● 主なJR路線:山陽新幹線、宇野線、本四備讃線、予讃線、土讃線、山陽本線、呉線
● 主に行った場所:祖谷かずら橋、四国鉄道文化館、瀬戸内しまなみ海道、千光寺、猫の細道
● バランス:[観光] ・★・・・[鉄道]
◆Day 1◆ 土讃線を南下して山間部へ
雨の中、始発に乗って新大阪に向かいました。めちゃ眠い!
わざわざ始発にしたのは、山陽新幹線始発のみずほ601号に乗るためです。今回はケチって自由席にしました。EX予約なら安い値段で指定席を取れるのですが、在来線特急との乗継割引が効かないんですよね。ちなみに指定席は満席だったそうです。
※EX予約の料金体系は2023年秋に大幅改定が予定されているのでご注意!
岡山からは南風1号、こちらも自由席。三連休初日で混んでいるかドキドキでしたが窓側でも余裕で座れました。
宇多津でしまんと1号と併結。ホームに降りて繋ぎ合わせの作業を見学しました。ホームへの入線待ちをしている列車がちょこんと可愛らしいです。
多度津から土讃線を南下していきます。しばらく曇っていましたが、琴平を出てから雨が降ってきてしまいました。うーん…。
阿波池田から先は初めて乗る区間です。阿波川口を出ると、左側に吉野川の渓谷が見えてきました。これは見応えあります!
そして大歩危(おおぼけ)に到着!駅では逆方向の南風号と交換しました。こちらはアンパンマンラッピングでなかなかの派手さです。
構内踏切の先には子啼き爺が立っていました。ちょっと怖い…。
大歩危駅からはバスで祖谷へ向かいます。私と同じ行程の観光客は5名ほどで、空いていたのが良かったです。駅前のスーパー「歩危マート」を横目に見ながら標高を上げていきました。
バスの自動放送がやけにテンション高いなと思ったら、温泉むすめのキャラによる案内でした。
祖谷トンネルを抜けたら辺りは霧!標高が高いので山あいにかかる霧がよく見えました。何か良い感じの雰囲気。雨がちの天気だったのが案外良かったのかもしれません。
大歩危峡の祖谷かずら橋
30分ほどで最寄りのバス停に到着。私を含め、乗客のほとんどが降りていきました。
そしてついに念願の…!
かずら橋です!植物で編まれている橋というのが何ともスリルがあります。そしてこのダイナミックさ!
想像していたよりも踏板の幅が狭くてビビりました。普通に踏み外して落ちそう&持ち物も落としそう。成人なら全身が滑り落ちることはないですが、足だけなら踏板の間に入りそうです。手すりを持たないと不安でした。
一つ上の写真から分かるように、大歩危峡が増水&濁流で遊覧船はお休み。これは仕方ない。また今度リベンジに来ましょう。
これだけで帰るのは寂しいので、かずら橋夢舞台で祖谷十割そばをいただきました。これが十割そばか。スルスルと食べられますね、美味しい!
遊覧船に乗れなかったので早めに切り上げました。当初の予定より2時間の繰り上げで移動します。大歩危に戻って、南風号で多度津へ向かいました。
自由席は混雑。座るのを諦めて前面展望をしてみます。すると…。
前面展望のおかげで、スイッチバック駅として有名な坪尻駅の様子を写真に収めることができました!これは思いがけないイベントでした。前面展望をしていると良いことあります(?)。
四国鉄道文化館を見学
土讃線から予讃線松山方面の乗り継ぎがイマイチで1時間ほどの待ち時間。お昼はどうしようかと思って、結局うどんにしました。一ヶ月ぶりです。
2時間繰り上げで進んでいるせいか気分が楽でした。適当に途中下車しつつ西へ進みましょう。
今回は前から気になっていた四国鉄道文化館に行ってみることにしました!伊予西条駅を降りてすぐの場所にあります。
入館したら、すぐに陸橋を渡って別館のジオラマを観に行ってみるようにと案内がありました。毎正時に動き出すジオラマで、来たのがちょうど始まるタイミングだったようです。
四国の一日(?)を照明や背景も操りながら表現している、なかなか凝ったジオラマでした。
屋外にはフリーゲージトレイン試験車両が展示されていました!大迫力。
館内には0系新幹線やキハ65形の保存展示のほか、信号機や鉄道標識などのマニアックな展示もありました。面白かったです!
今治で焼き鳥をいただく
さらに西へ進んで、この日は今治で宿泊しました。駅ではご当地キャラの「バリィさん」が迎えてくれました。
「山鳥」で今治名物の焼き鳥をいただきました!皮焼き・もも焼き・せせり焼き・せんざんきのどれも美味しく、ビールが進みました。最高です。
…「バリィさん」は鳥っぽいフォルムですが、もしかして焼き鳥…?
食後の酔い覚ましに今治城の方まで歩いてみました。見事なライトアップ!思わず写真を撮りまくりました。
明日は体力を使うのでしっかり休みましょう。おやすみなさい。
◆Day 2◆ しまなみサイクリング!
まずは昨夜に引き続き今治城へ。人が多くてびっくりしました。
お城に行ったら天守に登るのがマイルール。ここは再建天守なので歴史的な価値などは不明ですが、どんな場所に建っているのかが分かりやすいのと、単純に上からの眺めが気持ちいいからです。実際に見てみると…。
海が近い!さすがはお堀に海水を引き込んでいる海城です。向こうの方には来島海峡大橋が見えました。今日はこれを渡ります。
そうです、本日のメインディッシュは瀬戸内しまなみ海道のサイクリング!島々に架かる橋を渡りながら、四国から本州まで自転車で移動します。
それでは駅前のサイクルステーションで自転車を借りましょう。事前に予約でき、しかも尾道で乗り捨てできるという素晴らしいシステム。
尾道駅まで76km、なかなかパワフルな表示です。
現在時刻は10時、尾道到着の目標は18時。合計1~2時間の休憩を挟むとして1時間に10km強です。まあ問題なく行けそうですね。
ここでは車種も選べます。私はクロスバイクにしました!タイヤが細いので軽く漕げます。これなら一日乗っても大丈夫そうです。パンクしないかだけ心配ですが…。ヘルメットも一緒に付いてくるのでしっかり装着して出発!
と、一つ気になっていたのが走行ルートです。方角は分かるけど、どの道を進めばいいか迷うのでは?と思っていました。でも心配ご無用。道路左端にひたすらブルーのラインが引いてあります!これに沿って行けば迷うことはまずありません。初心者に優しい。
今治駅前から約7kmで一つ目の橋に差し掛かりました。さっき見た来島海峡大橋です!橋の立派なフォルムに、ここからやっとスタートという気持ちも合わさってちょっと感動していました。
島々と海を眺めながら走るのが気持ち良い。天気も良く絶好のサイクリング日和です!
車ならすぐにトンネルで島を突っ切って次の橋へ…という感じですが、このサイクリングコースは途中で島内をぐるっと回るように設定されています。いろいろな島の風景を楽しめる、これも魅力の一つかもしれません。
島内で所々出てくる坂道が地味にしんどい。上り5%勾配の坂道1.3kmがキツかった記憶。クロスバイクで助かりました。
海岸沿いはやっぱり綺麗ですね!これまでの疲れも吹っ飛びます。
自転車で瀬戸内海の島々を巡る
塩で有名な伯方島で昼休憩にしました。愛媛県のゆるキャラ「みきゃん」のパネルがお出迎え。
塩チャーシューラーメンで塩分補給しました。旨い!そしてチャーシューが思いのほかボリューミーで嬉しい。
デザートに塩ソフトもいただいて出発。伯方島を抜けたら続いて大三島へ。橋を渡るのに毎回アップダウンを繰り返す必要があり、それがちょっとずつ体力を削っていきます。
大三島の道の駅「多々羅しまなみ公園」では、サイクリストの聖地として大々的にアピールしていました。何か石碑みたいなオブジェもありました。
上の写真に見えている、次の多々羅大橋でついに広島県に入ります!今治駅前から距離にしてちょうど半分、現在時刻も14時半でそれなりでした。良いペースだと思います。
橋を渡った先の生口島では久しぶりに市街地を走行。途中のAコープで飲み物を買って小休憩しました。しっかり水分補給をしたら再出発。
どうですかこの景色!これを見ながら走れるのが最高です。
今治から出発すると概ね北向きに走るので、順光となって走りやすいです。逆向きだと常に太陽に見つめられますからね…。でも今度走りに来るなら逆向きで走って、景色の見え方の違いを楽しんでみたいです。
などと考えながら走っていると…。
痛いお土産
因島に上陸した直後に、下り坂にてまさかの落車で負傷してしまいました!自転車道のアスファルトと土の部分の境目の段差に入ってしまい、あっ!と思った瞬間にはもう転んでいました。右手がだいぶ痛い。見たくないけども見てみたら、血まみれ…。擦り傷のワンランク上の状態。痛いお土産です。
持っていた水で傷口を洗い流し、ハンカチで押さえながらハンドルを握ってそのまま圧迫止血です。正しいのかどうか分かりませんが、思いつく限りの応急処置で移動を続けました。骨折や歯の折損などがなかったのが不幸中の幸いです。思い出すだけで鳥肌の立つ話はこの辺で中断して話を戻します。
因島といえば「ヒカルの碁」で本因坊秀策の故郷として紹介されていましたね。そして意外なところでは除虫菊が有名だそうです。除虫菊の花の見頃はGWあたりとのこと。白い花が一面に見られるようです。
因島大橋では自動車道の下の専用道を走りました。どことなく大鳴門橋の「渦の道」のようです。このタイプの橋は今回ここだけでした。
尾道への最後の島である向島は市街地が多く、離島という雰囲気は特にありませんでした。ここまで来たらウイニングランですね。ただ、右手があんな感じなのであんまり感慨にふけっている余裕もないですが。
ラストは渡船で尾道に渡ります。陸路のまま橋を渡るルートもありますが、かなり遠回りになるということで今回は楽な方に流れました。右手もあんな感じなので。
おおよその目標にしていた18時に尾道のターミナルに到着!ここで自転車を返却します。右のハンドルはよく洗って拭いておきます。お疲れ様でした。
76kmも一日で走れるんか?と思っていたこともありましたが、案外サクサク進めました。クロスバイクだったのもポイントでしたね。皆さんもぜひぜひチャレンジしてみてください!ただし安全第一、怪我には充分ご注意。
写真は夕刻の尾道駅。暖色系の街灯が良いですね!
※ちなみにこの雰囲気の良い写真は右手が血まみれの状態で撮っています。
自転車を漕いでいる間はそうでもなかったのですが、尾道に到着して冷静になってみると怪我のヤバさにビビり始め…。右ひざや顔の周りも擦りむいていたことが判明しました。盛大にやらかしましたね。
で、尾道の薬局に行けば良いものを、なぜか宿泊する広島市内まで我慢してキズパワーパッドを大量購入しました。人生初の大判サイズです。お宿ではしっかり傷口を洗ってパッドを貼りまくりました。
晩御飯を食べる気力もなくベッドに倒れて寝ました。あの一瞬の判断ミスが…という後悔が尽きませんでしたが、もう後は無事に治ることを祈るほか仕方ありません。次から気を付けましょう。おやすみなさい。
◆Day 3◆ 観光列車「etSETOra」に乗る
キズパワーパッドは見たことのないぐらい膨らんでいました。体液出まくりです。まあちゃんと修復が進んでいる証拠だと思って前向きに捉えます。
最終日はまず、広島駅から観光列車のetSETOra(エトセトラ)に乗ります!これもやっとこさ念願叶ったり、です。乗り鉄の血が騒いで、昨日そこそこ出血した痛みも吹っ飛びました(本当です)。
車内は広々、足許ゆったり。椅子もふわふわで快適です。曰く、こだわりのクッションだそうです。広島からだと進行方向右側が瀬戸内海。座りながら大きな窓越しに海を楽しむことができます!
etSETOraは海田市から呉線に入っていきます。しばらくは本数が多い区間を走るので、1~3駅ごとに運転停車して対向列車と交換していました。途中の広までで1時間ぐらい。
車内では飲み物などもいただくことができます!まずご当地の瀬戸内レモンサイダー、続いてレモンケーキとアイスコーヒーで一服しました。ちなみにコースターがetSETOraのロゴ仕様になっています。
海面に牡蠣筏が広がる区間ではゆっくり走行。観光のために親切に徐行しているのか?と思っていましたが、どうやら保線負担軽減のための25km/h制限区間だっただけっぽい。
そして忠海~安芸幸崎の超有名ゾーンへ。呉線の写真、といえばここを海の方から撮ったものが一枚は出てくるはず。ここでは一時停車があり、丸窓を額縁に海を撮れました!仕切りのアクリル板もどこか輝かしかったです。
遠くに多々羅大橋が見えていました。ということは逆に向こうからでも列車撮影を狙えるということですね!相当な望遠が要りそうですが…。
ちょうど3時間かけて瀬戸内海沿いをゆったり巡り、終点の尾道へ。18時間ぶりに戻ってきました。
それでは観光に出掛けましょう!
尾道のお寺と猫とラーメンと
商店街ではたくさんの人が往来していましたが、線路を挟んで山の手にある「古寺めぐり」ルートには人がほぼいませんでした。これでゆったりとお寺巡りができそうです。昨日の傷が早く治るようにめっちゃ賽銭してめっちゃお祈りしました。
至るところに階段や坂道があり、上ってから振り返ると独特の風景が広がります!これぞ尾道といったところでしょうか。
千光寺だけやたらと観光客が多かったです。綱を引っ張って回すと、上から珠が落ちてきてコチコチと鳴るデカい数珠が面白い!珠は108個あるそう。
近くに見晴らしの良い場所があり、三重塔と山陽本線、遠くに新尾道大橋と「映え」写真が撮れそうなスポットでした。私も電車が来るまで待って一枚撮ってみましたが、真っ黄色の車体じゃないと存在感がなくてあんまりよく分からないですね…。
「猫の細道」も歩いてみました。確かに道は細い。猫の顔を描いた丸い石が所々に積んであって可愛らしいです。
道端で遊んでもらっていたネコチャンは真剣な眼差し。私も、遊びに対してこんな気持ちでいたいものです(?)。
お腹が空いたので観光の〆に尾道ラーメンを食べに行きます。超有名らしいラーメン屋「丸ぼし」でいただきました。見た目によらず魚介系のさっぱり醤油味が美味しい!30分ほど並んだ甲斐がありました。
おやつの時間になっていましたがまだまだ混んでいました。ものすごい人気です。尾道でやりたかったことは一通り達成したので、予定よりも早く帰ることにしました。
帰りの新幹線さくら号は大混雑かと思っていましたが、直前変更でも窓側を取ることができました。新大阪まで帰ってきて今回はおしまいです。
いろんな意味でいろいろあった旅となりました。かずら橋、サイクリング、観光列車と、様々なジャンルの内容盛りだくさんで飽きない三日間でした!鉄道は(特に西日本は)だいぶ乗りつぶせているので、瀬戸内しまなみ海道のように鉄道があまり関係のない場所もどんどん行ってみようと思います。
そして皆さんも自転車に乗る際には充分ご注意ください。ヘルメットは当然必須、できれば手袋もしておきたいと、今後の教訓になりました。ちなみに負傷した部分はもう綺麗に治癒しました。万一の場合には早めの適切なキズパワーパッドをおすすめします。いや、行けるならまずは病院ですね…。
※深い傷を負った場合や石が入り込んで取れない場合などは迷わず病院へ。
次は、九州南部のローカル線に乗った話を書きます。
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