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旅行記 / 福井県 JR北陸本線の記録を今のうちに残しておく旅 (2020/09)

数年後には見られなくなってしまう景色を記録しておこうと。


北陸新幹線の開業で金沢~直江津が経営分離されてしばらく経ちましたね。当該区間がJR北陸本線だった時代に高校の卒業旅行で乗ってはいましたが、当時はそこまで興味がなかったこともあり、鉄道関係の写真があまり残っていません。今思うとちょっともったいなかったかなと。

そこで今回、北陸新幹線の延伸で経営分離されるであろう敦賀~金沢(小松までしか行ってませんが)のJRとしての記録を残しておこうかということで計画してみました。移管間近になって慌てて乗りに行くのは面白くないですからね…。

何に乗って、どこへ行ったか

● 主なJR路線:湖西線、北陸本線、越美北線
● 主な私鉄路線:福井鉄道、えちぜん鉄道
● 主に行った場所:気比の松原、氣比神宮、東尋坊、三国温泉
● バランス:[観光] ・・・★・[鉄道]

◆Day 1◆ 気比の松原と氣比神宮とソースかつ丼

いつも通過するだけの敦賀、一度観光してみたいなと思ってまずは敦賀まで移動しました。琵琶湖線経由だと面白くないので湖西線経由で行くことに。湖西線経由の新快速には乗ったことがありますが、敦賀まで乗り通したのは初めてで新鮮でした。

後ろ8両は近江今津で切り離されてしまうため、前4両に乗らないと敦賀まで乗り通せません。どうせなら、と思ってここは先頭車両に乗ってみました。座りながらでも前が見えると楽しいです。

陽光でギラギラに光っている琵琶湖を右に眺めつつ北上していきます。山の方に入ってしばらくすると敦賀に到着しました。

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敦賀駅の東側では北陸新幹線の高架工事がかなり進んでいました。新幹線が開業するとまた雰囲気が変わるでしょうね。今の風景は今のうちに楽しんでおきましょう。

敦賀では前回のようにレンタサイクルを借りようと思っていましたが、初期登録が面倒くさそうだったのでやめました。行った先でもパッと乗れる方が良いですよね。バスも出発してしまい、もう残る移動手段は徒歩のみです。仕方ない。

とりあえず海でも見に行こうかと思い立って気比の松原方面へ。河口付近の笙の川を渡り、30分ぐらい歩いて松原公園に着きました。歩けるスペースの狭い車道が近くまで続いていて、徒歩で来るにはちょっと危なかったです。

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たくさんの松を眺めながら歩いていくと海が見えてきます!これぞ白砂青松でしょうか。

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ただ、「氣比ノ松原」と彫られた名勝碑の近くに植わっていたのはもちろん松…ではなく別の木でした。ちゃうんかい。

松原を出て歩いていると港の近くに来ました。お食事処も何軒かあって観光向けの中心地のようです。お腹が空いてきたところを少し粘り、行ってみたかったお店を目指します。それは敦賀のソースかつ丼で有名なヨーロッパ軒です。

…しかし、本店に到着するとまさかの大混雑。せっかく歩いたのに…。次の列車の時間もあるためここで待たずに敦賀駅前店に目的地を変更。駅に戻るまでの道中にある氣比神宮にも参拝しておきました。

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そして念願のヨーロッパ軒へ!かつ丼のソースが甘辛酸っぱいような独特の味ですね。美味しかったです。列車の時間がそこそこ差し迫っていて爆速で食べました。

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福井鉄道とえちぜん鉄道に乗って三国方面へ

敦賀から武生まで乗り、福井鉄道に乗り換えます。JR武生駅から福井鉄道の越前武生駅までは徒歩でも10分見ておけば移動できます。

武生から福井まで福井鉄道とJRがほぼ並走しています。今回は、福井鉄道とえちぜん鉄道の両方に乗り降り自由の「共通1日フリーきっぷ」を券売機で購入して乗り込みました。

ちなみに北陸新幹線の仮称・南越駅が「越前たけふ駅」に正式決定したそうですが、越前武生駅の名称はどうなるのでしょうか。今後の動向が気になるところです(個人的には「越前たけふ」の字面が好みでない…)。

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乗ったのは急行列車。路面電車仕様の車両で「急行」があるというのが新鮮ですね。本当は超低床車「FUKURAM」に乗ってみたかったですが、これはこれで良しとしましょう。

雪でポイントが転換しなくなるのを防ぐため、ポイントの真上に屋根が設置されています。雪国であることを実感しました。田園風景を左右に見ながら北上していきます。思いのほか直線区間が多い印象でした。

田原町でえちぜん鉄道に乗り換えることに。ホームから見えるのが塾の広告ばかりで面白かったです。実は激戦区なのでしょうか。三国港行きの列車に乗り換えました。

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列車はそこそこ揺れました。ことでんほどではありませんでしたが…。

三国の海岸線と東尋坊を歩く

終点の三国港に到着。まずは駅前の海岸から一枚。夏の雲と青い海が美しいです。

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三国と言えば東尋坊ということで歩いて行ってみることにしました。途中の車道には歩道がなく、わりと危険。海岸の遊歩道は昼間でも暗かったです。1時間弱ほど歩いてなんとか辿り着きました。バスと時間が合うならバスに乗った方が良いです。

東尋坊の断崖はどことなく規則的な感じがして不思議でした。このあたり、上手く言い表す表現力が欲しいところです…。東尋坊は良くない意味での「名所」とも言われますが、素直に美しい海岸だと思いますよ。

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帰りは夕方に近づいてきており、さらに良い眺めでした。さてバスに乗って戻ろうかな…と思って時刻表を見てみると、まさかの5分前に出発済み。こうならないようにちゃんとあらかじめ確認しておきましょう。

そんなわけで復路も仕方なく徒歩になってしまいました。もう汗だくです。疲れたので、三国港駅近くまで戻ってきてすぐ温泉に浸かりに行きました。運動した後の温泉は最高ですね。

お昼のかつ丼の腹持ちが案外良く、晩ご飯の時間になってもお腹がなかなか空きませんでした。恐るべし。海の幸をいただこうかと思いましたが、断念して福井駅まで戻ることにしました。

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夜の三国港駅舎はこんな感じ。間近に暮れゆく海も見ることができて、心が落ち着きます。車窓からはもう何も見えない時間帯。ただボーッと揺られて福井駅まで戻ってきました。

JR福井駅の高架には恐竜が描かれており、駅前には恐竜のオブジェも何体かありました。さすがは恐竜王国!

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福井駅から福井城址大名町までは再び福井鉄道に乗ってみました。これにて福井鉄道は完乗したことになります。併用軌道区間でたったの一駅ながら、交差点での信号待ち時間が長くて5分ほどかかりました。この区間だけなら歩いても大差なさそうですね。

◆Day 2◆ 途中下車しながら乗る北陸本線

この日は特急が北陸本線を走っている姿と、JR駅名標の記録をメインに行いました。特急については経営分離後にどうするのかまだ議論が続いている?ようですが、今のうちに撮っておくことに越したことはありません。まあ、十中八九走らなくなるんでしょう。

私としては、新幹線の方が速いといえど金沢まで乗り換えなしで行ける今の特急の方がちょっと嬉しいかも。新幹線でも乗り換えなしで行けるように、大阪まで早く全線開通してほしいですね。

まずは芦原温泉駅で降りてみました。駅の東側で新幹線の高架工事が住宅にほど近い場所でなされているようです。西口に出てみると早速特急がやって来ました。すかさず用意して一枚撮っておきます。

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北陸本線は「特急街道」「特急銀座」などと呼ばれるだけあって、30分ほど滞在している間に何本も通っていきました。鯖江などの特急停車駅にしたらこれがなくなるのは不便でしょうね…。芦原温泉は新幹線の駅が設けられるので逆に歓迎ムードなのでしょうか?

続いてしばらく北へ進んで小松まで行きました。小松にも新幹線の駅が設置されますね。駅前にちょっと西欧風な道路と建物があって良い雰囲気です。
「こまつの杜」はリニューアル中で入ることができず、柵の隙間から覗き見だけ。

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福井をはじめ小松や金沢など、北陸本線の高架駅ホームは似たような構造に見えます。中央に太い柱ではなくホームの黄色い線付近に細い柱が多数あるとか、特急の乗車位置案内のために(?)梁があるとか。ホームから列車を撮る時にちょっと邪魔になってしまいますが…。

小松で折り返して福井まで戻ります。一駅先の粟津では特急通過待ちがあるので、列車の外に出てまた一枚。こういう光景も今のうちですかね。

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福井まで戻って8番らーめんでお昼を。福井と言えばこれ!なのかどうかは知りませんが、やっぱり美味しいですね。久しぶりにいただきました。

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越美北線で九頭竜湖方面へ

次は越美北線に乗車します。越前大野から先、九頭竜湖までの区間は本数がかなり少ないため、狙って乗りに行かないと待ちぼうけを食らうことになります。2021年秋のダイヤ変更で越前大野~九頭竜湖間の全便が運休になるのでは…という話もあり、今後が心配です。

車内は混んでいて座れなかったので後方展望をしてみました。晴天のもと、見晴らしの良い区間が続いて満足でした。

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勝原~九頭竜湖はそれまでの区間と異なり、長大なトンネルがあって技術の進歩を感じました。荒島トンネルが長い長い。

しばらくして終点の九頭竜湖に到着です。駅舎内は丸太造りのログハウスのような雰囲気でした。駅舎の反対側に回って1両の車両を眺めに行きます。ザ・ローカル線という感じで良いですね。

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もちろん駅前には恐竜。動いていました。集団でツーリングに来られている方々もいて、駅前は賑やかでした。

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折り返して福井方面に戻ります。今度は着席できたので、進行方向の左右の景色を眺めていました。そして、途中の越前大野駅ではスタフの受け渡しの場面を見ることができました。

越前大野~九頭竜湖は単線区間で、一本の列車しか入ることができません。そこで「スタフ」を持っている列車のみがその区間に進入できるシステムになっています。現存している区間が少なくそこそこレアな瞬間です。

北陸本線との分岐駅となっている越前花堂まで戻ってきました。非電化かつ単線のローカル感と建設中の新幹線高架が共存していて、不思議な感じに。

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敦賀方面の列車を待っている間に特急の通過風景をパシャリ。

試運転列車と北陸本線の特急

30分ぐらい待って武生行きに乗車。敦賀まで戻るには次の列車を待たないといけないため、せっかくなので鯖江で途中下車してみました。

…と、何やら見覚えのない紅色の帯の車両が2番線に停車しています!何かと思って考えてみると、2020年10月に521系の新車が七尾線に投入される、というニュースを思い出しました。それの試運転ですね。まさか見られるとは思っていなかったので嬉しかったです。びっくり。

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試運転列車は2連×3編成で運転されていて6両編成でした。もちろん特急とのコラボも撮っておきます。鯖江ではもうお目にかかれないかもしれない組み合わせ。追加で新造されたら知りませんが…。

521系も見て満足し、敦賀まで戻ってきました。敦賀からは新快速で一気に大阪方面へ帰ります。敦賀発播州赤穂行き、という運転距離の長さに改めて驚きます。しかもめちゃくちゃ速い。ただ途中で車両の増解結があるので、同じ車両に乗りっぱなしで辿り着けるわけではないですけどね。


…などなど考えつつ今回も無事に帰ってきました。単に撮るだけなので記録写真程度にしかなりませんが、目的を達成できたので良かったです。今では運休の危機に瀕している越美北線にも乗りに行けて満足でした。

次は、常磐線沿線ぶらり歩きと田沢湖に行った話を書きます。

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