『人生には無数の選択肢があり 君には無限の未来(ゆめ)が広がっている』 どこにでも湧いてくる 選択肢を間違えなかった者たちの ポジショントークだ そしてこういう人間はこう続けるのだ わたしも昔はそうだった そんなわたしにも出来た と。 嫌いだった 誰かと比べられるのも 誰かと比べるのも そんなことをしてなんの意味がある 勝っても負けても何も嬉しくない 何も悲しくない何も悔しくない それなのに 勝手に比べるための尺度を与えないでほしい 勝手に期待しないでほしい 勝手に絶
魂のコクピット 昭和の小さな小さな田舎町 信号もないような狭い路地 手付かずの雑木林 やたら攻撃的な近所の飼い犬 木製の電信柱 井戸水だから美味しいという謎の理屈 排他的でありながら知らない女の子のために赤飯を炊くような そんな街に私は産まれた。 最古の記憶は空に向けて放った水鉄砲の水が 重力に従って私の顔面に着弾したときだ 幼馴染の女の子は何故か泣いている 私は何が起きたかわからぬまま 2発目を撃とうと銃口を向けようとしたが おそらく母の制止によって記憶ごとそこで終