オバケレインコート / 毎週ショートショートnote
話し声が聞こえて目が覚めた。
廊下を覗くと白くフワフワした物体がいくつも揺れている。よく見ようとドアに近づくと、ギィ。
慌てて壁にかけてあった空色のレインコートを頭からかぶり足が見えないようしゃがむ。
「君、すごく珍しいね。」
「空色にヒヨコ柄のオバケなんて初めて。」
部屋に入ってきたオバケの子供たちは僕のレインコートをつんつん引っ張る。
「どうやって色つけるの?」
「えぇと、ほら、うーんって強く願うんだよ。」
「うーん。」「うーん。」
けれどもちっとも色はつかず、オバケたちの頭からシュウッと煙がでるばかり。
そのうち窓の外がうっすら明るくなってきた。
少し気の毒に思ったけど今更嘘だなんていえなかった。
「毎日願えば、いつか叶うさ。」
「じゃあまた明日、頑張ろう。」
「みんなもまた明日ね!」
すうっとオバケ達が消えた。
明るくなったらカラフルで可愛いレインコートを探しに行こう。
「うーん」と願っているうちにそっと頭にかけてあげるんだ。
え!?サポートですか?いただけたなら家を建てたいです。