涙鉛筆 / 毎週ショートショートnote
「可愛い猫動画です。」
「綺麗な夕陽は?」
天使たちは次々に動画を見せようとする。水色の神様はつまらなさそうに欠伸をした。
「もう動画見るのも飽きたのう。ちょっと休暇をもらおうか。」
「ダメです!」
天使たちは両手でバツを作って止めた。
「そんな時間はありません。どんどん感動しないと間に合いませんよ。」
「そう言われても、こう疲れては感動する筈も無い。休ませてくれんか。」
「ダメです!!」
天使たちが地上を指差す。小さな子供たちが遊んでいるのが見えた。
「あの子たちは春には入園やら入学やらで全員が色鉛筆セットを必要とするんですよ。水色だけ無いなんて絶対にダメです。他の色の神様も頑張っているんですから、ね。」
「そうですよ。地上の鉛筆は神様が感動した涙で出来てるんですから、頑張って。」
神様の横には天使の絵が描かれた『涙鉛筆』の箱が積み上げられていく。
「はぁ…珍しい色の神様が良かったのう。」
ポロリと落ちた一滴が短い色鉛筆になった。
まだ皆さんの少ししか読めてなくて…被ってませんように。って全くエモくないから大丈夫かな。
え!?サポートですか?いただけたなら家を建てたいです。