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伝書鳩パーティー / 毎週ショートショートnote

公園で本から顔を上げると鳩と目が合った。
クルックー
ひょこひょこと歩いて近づいてくる足に結ばれた手紙を外すと『伝書鳩パーティーしませんか』と書いてある。
「伝書鳩パーティーって何?」
クルックー
左右に首を傾げる鳩に言葉が通じる筈もない。
「鳩、お好きですか?」
振り向くと鳩女がいた。いつもたくさんの鳩を連れているので、この辺りでは有名だ。
鳩は鳩女の肩に飛び移った。クルックー
「そこのカフェで」クルックー
「詳しく説明しますから」クルックー
「興味ないんで。」
鳩女と鳩達を残して足早に立ち去る。
「待ってー。」クルックー

「窓に鳩よけネット張ったの?」
「最近、鳩が多くてさ。」
鳩女は優しく画面に映る男を撫でた。
伝書鳩パーティー作戦は失敗したけど、彼と話せたから充分幸せだ。今後は鳩につけたカメラと盗聴器で彼の幸せを見守ろう。
いま彼の部屋にいるのは恋人かな。祝福の印に家を調べて鳩に巣をつくらせてあげよう。
クルックー


お題は「伝書鳩パーティー」。
ぜひぶち上げたい!と思ったのに、パーティーは開催されずストーカーみたいな話になりました。

#毎週ショートショートnote
#伝書鳩パーティー


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