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合法の不健康ランド / 毎週ショートショートnote

「遊んでいきませんか?」
女性に声をかけられて僕と先輩はにやけてしまう。
「客引きなんて違法な店でしょ?」
「合法ですよぉ。サービスしますから。」
女性が胸元から取り出したのは『玩具券』だ。
「玩具って…?」
うふふ、と悪戯っぽく笑う。
「好きな子もいるんで。触ろうとすると叩いちゃう気の強い子、すぐ膝に乗っちゃう子、色々いますよぉ。」
もちろん店に行く事にした。
「実は僕、気の強い娘が好きなんです。先輩は?」
「俺は甘えん坊タイプかな。」
不健康ランドという店には小さなカウンターと男が一人。
「一時間千円。ワンドリンク付き。嫌がる事はしないように。」
靴を脱ぎ、中に入るとソファや床に客らしき男達がくつろいでいた。ダラダラと寝転がったりする不健康そうなその背中や膝に猫が乗っている。
「…猫カフェ…」
がっかりしながら棚の上にいる黒猫に手を伸ばす。
途端にパシッと叩かれた。
「…先輩、僕この猫がタイプです。」
先輩は黙って玩具券で猫じゃらしを掴んだ。


#毎週ショートショートnote  
#違法の健康 #合法の不健康ランド

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