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【エッセイ】脱毛症と暮らす ①

 「あれ、10円ハゲできてる。」そう気づいたのは11歳になって間もない頃だった。
 見慣れない10円ハゲに少しワクワクしつつ親に知らせると「念のためお医者さんに行こう」と言われ、病院へ連れられた。
医師からの言葉は覚えてないが、僕の頭を見るや否や青ざめた表情で大病院の紹介状を書き始めたのは今でも覚えている。
その足で大病院に行くと、脱毛症がかなり進行していることを告げられた。
早い段階でステロイド注射(頭に打つ注射)を勧められたが、激痛を伴うという言葉に萎縮してしまい、漢方薬で様子見することにした。

続く

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