砕かれReturn、Lookで晴れを知る
最近は花粉の兆しに怯えながら、貰い物の椎茸チップスにはまっております。オーストラリア産の椎茸らしく。オーストラリアの雄大な大地を行進する椎茸たち……(´▽`)
今回は言葉の添え木様のお題で作った詩5編と、140字小説コンテスト「月々の星々」様に投稿した物語を1つ、セットにしてみました。月々の星々様、言葉の添え木様、いつもありがとうございます。
Return
高いような安いような
交通費
長いような短いような
バスの待ち時間
記憶に自信がなくなった
家電の番号
地面だけになった始まりの家
帰りたいような
帰りたくないような
知
この世の果てまで
知り得ないことだらけ
かじりついても
もがいても
知り得ないものに満ちて
知らないルール
果てない知識欲
無知の果実
絶望と希望
どちらだろう
今日も私は考える
晴れ
雲の上まで潜ったら
いつも晴れだろう
確かめたくてクロール開始
雲を掘って
雷と会釈しあって
雲の上まで潜ったら
雨の意味を知ったよ
雲の下では雨も降る
晴れが好きな君
雨が好きな僕
曇りが好きな僕らもいる
砕
ゆっくり急ぐ砕氷船
壊れない速度
正しい方角
これさえ守れば
大丈夫
のらりくらりと砕氷船
壊れた時に
覚えた歌を歌ったり
迷った時の
渡り鳥の友と語ったり
のしのし進むぞ砕氷船
凍える孤独を
溶かすため
Look
アンディーブの舟を、ごらん
縁には淡い緑のフリル
甘そうなミルク色
銀河のような
ボウルの中で
星のように回る
アンディーブの舟を、ごらん
キッチンは
君の宇宙
つまんで齧れば
ほろ苦い
アンディーブの舟を、ごらん
140字小説コンテスト「月々の星々」投稿作品(12月の星々、テーマ「調」、水原月として投稿)
頭の中で鳴る音楽で、緊張が和らぐ。
星が放つプラズマ波は、音に変換できる。金星、冥王星、タイタン。この三つの星が放つ音は「宇宙の調べ」という交響曲になった。無人宇宙探査機の私に、感動を教えてくれた曲だ。
そろそろ宇宙の果てに着く。ああ、やっと。最後の最重要ミッションが始まる。
お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。