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溶けるキャンディの雫のプロット、シマウマの盲点

詩で暑さを忘れよう……!ということで、今回も言葉の添え木様のお題で作った詩5編と、オリジナルお題の詩1編をお送りいたします。

言葉の添え木様は、ほぼ毎日Twitterで午前8時と午後8時にお題を出されています。バリエーション豊かなお題に、ぜひ挑戦してみてください!



テンプレート

天ぷらテンプレート

君と僕のお好みで
お決まりなお品書き

かぼちゃ、ししとうのトレードで

天ぷらテンプレートの出来上がり

僕は甘辛く、君は淡い塩味で

サクッと、サクッと



プロット

書いたプロットを
ちょろっと見直す

起きる予定だった出来事は起きず

予想外のシーンの連続で

登場人物は増加中


書いたプロットは
過去へ空白に

今目の前のストーリーの結末は
空っぽのプロットに
綴るんだ



夏の雫

たらりたらりら

スイカの表面をたどる

たらりたらりら

コップの垂直スケートリンク

たらりたらりら

熱い額の曲線

たらりたらりら

おかえり夏の雫
落ちたら昇って
また、どこかにおかえりなさい

夏の雫



盲点

信号渡って

盲点から盲点へ

プテラノドンだって
地上のすべては見えなかった

空を飛べない生き物に
見えるものは
ほんの少し

盲点があるから視える

ほんの少しの

フォトグラフ



キャンディ

拳を開けば

銀色折り紙に包まれた
キャンディ

ほろ苦い銀河のキャンディ


君は銀河を隠し持ってた

君の銀河は僕の手に

キャンディ、からころ転がせば

銀色折り紙が

眩しくて



シマウマ(オリジナルお題)

サバンナでしゃぼん玉
ぷかぷか、のんきに浮かばせてたシマウマは
白黒白黒、道路を横断するシマウマになり

ぽっかり浮かぶ白の島
ぽっかり空いた黒の海
横断する白黒のラインに
時々、項垂れて夢見るシマウマになり

しゃぼんの香りにくしゃみして
黒い海に前足の蹄を浸して
サバンナに忘れてきた海が懐かしくて
いななきそうになるシマウマになり

あちらこちらで星の歌が響く夜

寂しいのに、歌いたくなってきて

のんきなシマウマだなぁと思ったり


お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。