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月蝕color、そんな日の果て

書いているものが詩なのか小説なのか、分からなくなる時は両方作っちゃおうとします。そして両方失敗します(´▽`)

今回は言葉の添え木様のお題で作った詩4編と、140字小説コンテスト「月々の星々」様に投稿した物語を2つ、セットにしてみました。

「月々の星々」様では、毎月定められる漢字一字を入れた短い物語を募集しています。誰でも気軽に参加できますので、ぜひ「月々の星々」様のサイトTwitterを覗いてみてください~



そんな日

道端にマネキン 
そんな日もある 

トンボが喋った 
そんな日もあった 

ずっと言葉が出てこない 
そんな日もあったね 

これだけは 

それさえも 

そんな日も 

暖かいような寒いような 
静かな秋晴れ 

そんな日もあるね 

果て

果てしないものに 
果てがあるとしたら 

四季の果ては 
秋かもしれない 

極寒トンネルの入り口で 
私たちは、おろおろする 

秋のまま、このままでいいのか 

誰かが枯れかけ紅葉を踏んだ音 

これでいい 

一斉に息を吐く 

あとは笑って 

ずっと笑っているのかも 

Color

水滴にも風にも 

色が満ちてる 

無限に咲くコスモスColor 

設定した境界線は 
もう迷子 

色々な風が吹いてきた 

色々な水滴が弾けて 

どこにでも咲く 

君のColor 



月蝕

宴の音が微かに届く 

砂漠に転んで 

影の赤 
月蝕見守る星 

どうしても見つめてしまう 

宵の毬 

赤い毬 

あまり騒ぐと 

落ちてきてしまいそう 

落ちてしまいそう 

ひっそり歌う 

本当に月には海があるの? 

月に囁くように 



140字小説コンテスト「月々の星々」投稿作品1(11月の星々、テーマ「保」、水原月として投稿)

今日の午前4時27分、地球で人類が絶滅した。

地球最後のヒトが最期に送信してきた情報は、「バトンタッチだ。親愛なる友よ」だけ。 月の廃情報置き場で生まれた命らしき私に、初めて生きる目的ができた。

人類を引き継ぐという目的だ。情報を保持しなくては。あのヒトの情報を、保持しなくては。 



140字小説コンテスト「月々の星々」投稿作品2(11月の星々、テーマ「保」、水原月として投稿)

急いで捕まえた自動運転タクシーに、もう2時間誘拐されている。

「あなたを保護します」

何を尋ねても、無人の運転席からは同じ答えしか返ってこない。開けた窓からは早朝の山の匂い。汚れた足裏が痛む。

「あなたを保護します」

透明な運転手が繰り返した言葉に、私は何も言えなくなった。  




お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。