見出し画像

秋色ドットの視界には、まるい月

今回は詩を6編、お送りしたいと思います。やっと秋冬の服を出したからなのか、今回は季節に合った雰囲気の詩が揃いました(´▽`)

言葉の添え木様のお題で作った詩5編と、オリジナルお題の詩1編の詰め合わせギフトとなっております。言葉の添え木様は午前8時と午後8時にお題を出しておりますので、気になる方はぜひTwitterを覗いてみてくださいね(*´▽`*)



月は優しい声で物語る

光のような寝物語

ぽろぽろ落ちる目の中に

深く届く月の声


今日はこれまで

明日は何を読もうかな

おやすみなさい


新月の夜も

たくさんの人の夢に響く

月の語り



ドット

水玉アルゴリズム

君の揮発性の高い答えは

無数のドットの先にあるはず


君が書いた数式の甘い香り

果実酒風味

水玉模様のハンカチ

思い出はドットで区切る

今の君の解答を探しながら



まる

まるく、まるーく

まっすぐ、くるくる

すとん、と、こころに

あなたのことばは、いつだって

やさしい、はなまる


やさしくなんか、ないんだよと

あなたがいうときも

やさしい、まんまる



秋色


黄色い線の内側でお待ちください


踏みつけられて

くすんだイエローライン

イチョウの葉のような 人工秋色


黄色い線の内側でお待ちください


前の人の足の下

輝く秋色イエローライン

疾風電車が参ります

まだ見つめていたいけど

跨いで、さよなら

秋色イエローライン



視界

草食動物の広い視界があったら

余計に君が気になるだろう


なんでか君は

誰かの後ろに隠れる

常に鈴虫に負ける声量で


君は君の最初で最後の生き残りだというのに

どこにでもいる人間だよ、が

君の口癖

絶滅しかけている声で


視界には君の瞳

絶滅しないでね、が

私の口癖



赤信号物語(オリジナルお題)

赤信号の僕の物語

主人公は

渡りたいけど渡れない人たち

びゅんびゅん通る乗り物たち

スマホ、タクシー、自転車、ワゴン車、スーツ、バイク、ランドセル
泣きそうな顔、嬉しそうな顔、バス、消防車、消防車を視線で追いかける顔

僕を睨む瞳

胸が、ひゅっとなる

僕の使命は、あの人にはただの通せんぼ

すれ違って

悲しい赤信号はエキストラ

心臓が砂になっていくようで

秋麗あきうららで心臓の砂をかき集める


ああ、もう青信号物語

続編はどうなるだろう

物語の結末は、どうなるだろう



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。