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未完の紅灯緑酒は詩友で

暖かくなってきたので、水ゼリー作り始めました(´▽`)
薄い砂糖水をゼラチンで固めただけの、シンプルを極めしゼリーです。黒蜜とかジャムとか添えても、そのままでも美味しい。水ゼリー、こそっと食べる、春の夜……

今回は言葉の添え木様願い花様吟遊詩人K.様のお題で作った詩を5編、オリジナルお題の詩を1編セットにしました。素敵なお題ばかりで、本当にありがたいです……!



月と誓いの言の葉(願い花さんのお題企画 #願い花月香 に投稿)

誓ったりはしないけど
君は現れる

いつもいるわけじゃないけど

言葉が枯れてしまった時
君は現れる

君は光で語る

私は光で見る

すれ違うはずなのに

しっくりくる月夜通信

誓ったりはしないけど

また会いましょう

きっと会いましょう



詩友(吟遊詩人K.さんのお題企画 #君の詩を聞かせて に投稿)

柳の枝を編み込んでいくように
広がっていく

と見せかけて

空白に濃縮されていく
友の詩

時間が止まったり

怒ったり

笑ったり

きっとずっと愛しい世界

君の詩

君は詩のアミーゴ

どうかまた世界を書いて

きっとまた書くから

親愛なる詩のアミーゴ



花丸

丸いガラスに 閉じ込められた花

「いい花丸」

呟いた君は
ピカピカのボブカット

昨日は確かにロングヘア

花丸だけど

君が減ったから

ちょっと複雑

天使の分け前

そういうことにしておこう

残った君も花丸だから



未完

あとがき書き終わり
電子回路と神経回路に隠しても

物語は完成を待っている

未完成の冬に
取り残された物語

時間の回路で待っている

ちょっと思い出して

ちょっとまた、書いてみようかな

そう思う瞬間を



遅告

走るの遅いけど

走るの嫌いになれない運命

転んだまま
かっこ悪いまま

追い抜かれて悟って

冷えきったコンクリート
蹴って走りだす

風に打たれる手足が痛い

遅れて涙声の告知

走る、また走るよ

また足が止まったら

また遅告するよ

遅告しよう

自分に告知



紅灯緑酒こうとうりょくしゅ(オリジナルお題)

日々、言葉を失くしても

綺麗事、捨てない下戸たちの酒宴

毎夜、大衆の隣の席でこっそり

飲めや歌えの静かなどんちゃん騒ぎ

酒と肴は持ち寄り

形にならない気持ちが肴で

それぞれ呑んだ涙が酒で

笑いなさい、泣きなさいの静かなお祭り騒ぎ

毎度お約束の弱々しい乾杯

おなじみのお土産、すぐ消える赤提灯

何も残らなくていいのさ

確かにするだけなのだから

溜まる酒と肴を尻目に

今夜、贅沢な酒宴を待ちわびて



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。