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満月隠れた夜明けのパントリーで

秋になりそうでならない微妙な時期は、詩作のチャンス!ということで、またしても詩を詰め合わせました(´▽`)

言葉の添え木様からお題をお借りした詩5編と、オリジナルお題の詩を1編、お送りいたします。言葉の添え木様のお題の数は、ついに600を超えたそうです!めでたい!



満月

真夜中の散歩

視界の両端に

街灯の連続

丸い光は引き伸ばされて
繋がって即席ハイウェイ

アスファルトに足音響くドライブ
満月へハイパーソニック

二本足で行ける所まで

満月に落ちていける地点まで

飛んで

ハイパーソニック

満月へ



自分らしさ

白玉団子を練りながら
自分らしさ
コロコロ転がす

こんな一面、あんな一面
どれもこれも自分らしさ
どれがどれやら自分らしさ

白玉転がり、真ん中へこみ
鍋の中、浮かび上がるは

おんなじ白玉

子供の頃と、おんなじ自分



想い一つ

想いだけでは溶けない
現実のソリッド

かつて液状だった現実の水面
何もかも未定だった時代が
蛍と一緒に揺れていて

想い一つから百、変わる

想い一つから、海ができる

本音に貫く想い一つ

見逃さないで



motive

不純な動機を
金平糖にこっそり混ぜて

純な動機を記した手紙も
小さな紙片にして
混沌の宇宙に帰そうか

純も不純も超えた時空

おとめ座銀河の果ての果てから

君のキャンディートラックがやってくる



夜明け

夏の夜明けに
麻の茎が焦げる匂い

花火の火の粉を

迎えているのか

送っているのか

夏を、すっと吸い込んで
黙っていたい

残してしまった線香花火を
想っていたい

まだ少し、眠っていられる

夏の夜明け



パントリー・ロード(オリジナルお題)

欲しいもの
迷子になるくらい広大な
パントリー

棚と棚の間の通路は
憧れのパントリー・ロード

たっぷり缶詰、乾燥パスタ、乾物あれこれ

おしゃれな鍋とかフライパン並べちゃって

存在しない秘密の小瓶は、こっそり置いて

悲しみも苦しみも

忘れたふりして、こっそり置いて

夢の中のパントリー・ロード
並べ終わったら
いつか、誰かを案内したい

贅沢は明日の敵で明後日の味方

自分だけのパントリー・ロード

あなただけのパントリー・ロード

いつか、あなたと彷徨いたい

果てしないパントリー・ロード



お気に入りいただけましたら、よろしくお願いいたします。作品で還元できるように精進いたします。