もうすぐ確定申告!簿記の基礎知識を学んでみよう

確定申告を迎えるにあたって、簿記の種類や仕組みなどを分かりやすく紹介します。

簿記が分かると、例年の確定申告の書類作成に自信が持て、ちょっとした例外的な支出や収入があった時も対応しやすくなり、今お使いの会計ソフトもより使いやすくなります。

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確定申告する時に知っていると便利な知識

確定申告をする上で、知っていると便利なのは「簿記」の知識です。

簿記を知らなくても、会計ソフトを使えば比較的簡単に確定申告書類を作ることはできます。しかし、簿記の知識がないと、

「この出費はどの勘定科目がいいだろう?」

など迷うことがあります。

また、個人事業主が確定申告するのであれば、「家事按分」や「事業主貸」「事業主借」といった個人事業主に関係が深い勘定科目について詳しく知っておくことも必要です。

とにかく、簿記の知識があるとないでは確定申告のしやすさは段違いに変わります。

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単式簿記と複式簿記

簿記には単式簿記と複式簿記があります。確定申告で知っておきたいのは複式簿記です。

単式簿記はいわば小遣い帳や家計簿のような簡単なものですが、複式簿記では会社で使っているのと同じ本格的な会計処理ができます。

単式簿記の例
単式簿記は、ごく簡単な記帳方法なので、日商簿記のような資格がなくても、経理の経験がなくても分かります。

単式簿記は、以下のようなイメージになります。

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まさに小遣い帳、一目瞭然で入出金が分かり、いくら残っているかも分かります。
12月1日/交通費/○○行き/300

は、12月1日に300円を交通費として使ったことを示します。

複式簿記の例

複式簿記で上記の単式簿記の内容を示します。

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借方、貸方という考え方でお金の流れを記していくのが複式簿記です。

12月1日/交通費 300/ 現金 300/○○行き

は、交通費が300円分発生し、現金が300円減ったことを示します。

複式簿記では、左右の金額は必ず同じになります。

単式簿記との違いは、お金を使った場合にその出金によって何を手に入れたか(モノが増えた、サービスを受けた)分かる点です。

例えば、12月1日の交通費と12月13日の商品仕入れはどちらもお金が減っていますが、

一方は交通費として消費し
もう一方はお金は減ったものの「商品」が増えた

と現金が減った原因(対価で得たもの)が異なります。

お金を消費する代わりに同じ価値のモノを手に入れたことを示すことができるのが、複式簿記の特徴の一つです。

12月13日の例では、

「2,000円の現金が減り、(その代わり)2,000円分の商品を手に入れました」という意味です。

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複式簿記と仕訳について
複式簿記は、たくさんの「勘定科目」を使って記帳していきます。
勘定科目とは「売上」「仕入」「旅費交通費」「消耗品費」など、お金を分類するための項目です。

それぞれの勘定科目はその増減によって借方、貸方に分けられます。
一つの取引を借方、貸方に分けて帳簿に記録することを「仕訳」と言います。

仕訳の基本ルール

仕訳の基本ルールは、

借方には財産が増加した時のアクション、貸方には財産が減った時のアクションが入る
です。

例えば、現金が増えた時は

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と、現金が借方(左)に。反対側の「売上」は現金が増えた原因を示しています。

また、反対に現金が減った時は、

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と、現金は貸方へ行きます。同じく反対側は現金が減った原因です。

仕訳のイメージを掴む

前述の現金の流れから、他の仕訳のイメージも何となく掴んでいきましょう。

先ほどの仕訳をもとにすると、さまざまな仕訳の流れもイメージできます。

例えば、借入金(お金を借りた)場合、

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現金は増えるので借方、すると自然に「借入金」は貸方になります。

つまり、負債の増加は、貸方(右側)に仕訳することが分かります。

それに伴い、その逆の負債の減少(借金を返した)は、借方(左側)に仕訳することになります。

また、起業にあたり、現金を出資して資本金に当てた場合は、

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資本金の増額は現金が増えた原因だから現金の反対側に書く!と覚えておきましょう。

簿記は基本を覚えると意外と簡単かも

複式簿記は、一見難しそうですが、実際にやっていることは単純なことです。

確定申告でも役立ちますが、就職でも転職でも使える「日商簿記」資格もあることですし、興味があったらチャレンジしてみてくださいね。

簿記の事、確定申告のことをもっと知りたい方は、こちらものぞいてみてください。


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