【6】第一章 眠れる境の探偵社 (6)ボッチ王子誕生
「なあ! あの王子様がキスすれば、村の呪いも解けるんじゃねぇかな?」
「馬鹿か? ウチの村に姫なんかおりゃせんだろ」
「いるじゃん、眠り姫」
「ありゃ居眠り姫だろ」
「大体どうやって王子に来てもらうんだよ? オーロラ公国には完全無視されてんだろ?」
「あいつら『眠りの呪い』の事を口にしただけで、通信遮断しやがって」
「やっぱ村だから相手にされないんじゃないかな? 日本国に頼んだほうが……」
「お馬鹿か? 国はこの村が閉じられてた方が都合いいんじゃから、阻止するに決まっとろう」