nekota ❄︎【連載小説】キッスで解けない呪いもあって!

どうもnekotaです(ฅΦωΦ)ฅ  眠りの呪いで成長が止まったチビボッチ王子の時…

nekota ❄︎【連載小説】キッスで解けない呪いもあって!

どうもnekotaです(ฅΦωΦ)ฅ  眠りの呪いで成長が止まったチビボッチ王子の時生と、同じ呪いで消滅寸前の危機にある村の女子高生楓。  解呪のキスを封じられた2人が、協力して眠りの呪いの謎を解き明かしていくワクワク冒険譚!   どうぞよろしくお願いします┏○ペコッ

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もうすぐハロウィン こいつらで一儲けにゃ

    王司時生イラスト【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

    どうもnekota(ฅΦωΦ)ฅでっす! AIお絵描きでイラスト制作中! 時生のイラストがいい感じにできたので 載せてみます。 楽しんでみてくださーい(ฅΦωΦ)ฅ!

    王司時生イラスト【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

    11.荊の呪い【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     顎髭男の顎がクイと指した方向には、ホームに散らばった椅子の中で、村人であろう老人が一人ポツンとコンサーティーナ(六角形アコーディオン)を持ったまま椅子に座って取り残されていた。その老人の眉間を、短髪ピアス男が弓矢で狙いを定めている。  その距離わずか30㎝。  言う事を聞かせるには十分過ぎる状況と言えるだろう。それなのに、だ。ポワポワ白髪を残した赤鼻の可愛らしい老人は怖がるでもなく 「何度もすまないねぇ。まあ一つ助けておくれよ」  と大してすまなそうでもない口振りでそう

    11.荊の呪い【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

    10.「境の国」の眠り姫【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     暗闇を抜けた先。  そこは――勢いで宙を舞う時生が見たものは、上から差し込む光に溢れた巨大な空間、メトロ駅「境の国」のホームだった。  脳内図書館やボッチメトロの大階段ホールのように、乳白色の柔らかなタイルと緑のケルト紋様の飾りタイルが高い天井まで続き、二階部の回廊はアーチ石で飾られ、その中央の大階段の上には巨大なアンティーク時計が大小様々な時計に囲まれて動いている。  そして、時生がいるのは 「オージ!!」  白シャツに緑のタイ、緑のタータンスカートに黒のハイソックス

    10.「境の国」の眠り姫【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

    9.神様の試練【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     バシュンッと勢いよくドアが閉まる。  メトロの車輌に滑り込んだ2人は、ペンギン猫の座る座席にぶつかり止まって 「ナーン」 「セーフ」 『やった!!』 「じゃないですっ! なに僕も連れて来てるんですか!?」  時生は慌ててホーム側のドアに張り付いてギョッとした。  反対方向に走り出した向かいのホームの車輌の中が「森」なのだ。かろうじて木々の間を突き出て窓を叩き続けていた一本の腕も、トンネルに入る前に呑み込まれて消えた。  ――ええ? ええええ!?  すると今度は 「

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    8.ボッチメトロ【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     時間稼ぎにまんまと掛かった。  このままではメトロに乗り遅れる! 「王子、ボッチメトロの入り口はあそこです!」  そこは眠り姫の映像が流れた時、『入り口の班員』と大河内に叫ばれ慌てて動いた人物が立っていた場所――。  時生はぐるりと後ろを向き、大型モニターを指差した。  それと同時に、モニターの後ろ、白い一面の大理石にしか見えなかった壁の一部が地下から来た風に巻き上げられ、白い布を顕にしながら細い入り口の姿を見せる。   「王子早く走って……え?」 「はっ! もう遅……

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    7.オージの解き起こし【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     ――ドプン。時生の脳内図書館は一瞬にして仄暗い水中と化した。瞬間、それまでヨチヨチと歩いていたペンギン達がぷかりと水中に浮いた――かと思うと、突如弾丸の様に気泡を巻き上げながら記憶本棚の間を飛び回りはじめる。  時生の記憶に無いほど混み合っているワッフル店。  時生達を取り囲む人々。  眠り姫の動画。  部下に指示をだす大河内。  体の向きを無理やり変えられた時生。  次々とペンギン達が取り出す記憶の頁は、唯一明るい図書館中央部のシャンデリアの下、ゆらゆらと浮いている時生を

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    6.境の国村の噂【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     時生がギョッとして横を見ると、人垣の向こうからワッフル屋の主人がカウンターに頬杖をつき、こちらに話しかけている。   「俺の店はもうずっと長ぇ事、境の国村からメープルシロップを売ってもらってるし、あの村は昔から商売人の村だからよ、日本中で色んな商売の取り引きをしてる。カソーツーカとかそんなモンと違って、本物の質のいい品物を売り買いしてるんだ。て言うことはだ、境の国村ってとこはホントにあるってこったろう? なのにあんたらお役人はなんで隠そうとすんだい?」 「隠すも何も実在しな

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    5.王子とオージ【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

    「ねえ、アレ!」 「ウッソ! タカフミ王子!?」 「え!? やっぱり東京駅に来てた?」  突如キャアともギャアともつかない悲鳴が一斉に上がり、時生は首を押さえ床の上でゲホゲホと咽せ返りながらも、周囲の痛いほどの視線を感じた。振り仰ぐと案の定、そこにはタカフミのにこやかな笑顔がある。そしてその真後ろには 「次のニュースです。オーロラ公国の王子様が遂に日本国に眠り姫を探しにやって来ます」  そこはよりによって構内の巨大スクリーンの前だった。テレビに映っている王子様本人がにこ

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    4.黙示録を追うもの【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

    「大丈夫かい、君? これ君のワッフルかな」  海外のビジネスマンなのか、仕立ての良さそうなスーツに流暢な英語だ。スマートな身のこなしで渡されるワッフルの紙袋に 「あ、ありがとうございま……す」  つられて英語で礼を言いながら、時生の目線はみるみる上に向いた。  ーーデッカ!!  そこには時生が最も苦手とする人種ーーやたらと笑顔の大男がいた。なぜ苦手かと言うと 「小さい子が転んだと思ったら、暫く動かないから心配したよ。この眼鏡も君のかな? さあ、かけてあげよう……」

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    3.闇に蠢くもの【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     ーーなんだ、コレ? 真っ暗で何も見えない。  時生の脳裏に停電という言葉が過ろうとした。が、違う。  その闇はとにかく黒だった。一筋の光さえ入る事を許さず、それ故に何物も存在している事がわからない。だがその闇の中にーー  何か、いる。  時生がそう感じた瞬間、 「ミヅゲダ」  濁った貼り付くような声を発して、ドロリと蠢く黒い闇が頭の中から身体へヌタヌタと這ってゆき、全身が総毛立った。  時生の全てが逃げろと告げている。  それなのに指一本動かすことが出来ない。  その

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    2.ボッチオージと眠り姫【連載小説・キッスで解けない呪いもあって!】

     時生は慌てて、「毎度ありぃ、ハッピーイースター」と言う顎髭店主への挨拶もそこそこ、ワッフル屋の行列を掻き分け駅構内へ駆け出したーー。  と思ったがそこはチビの宿命、そう簡単にはこの人混みを抜けられない。 「す、すみません、通してくださいぃぃ……」  くしゃくしゃの黒髪、黒縁眼鏡の奥に潜む緑色と分からないほどのつぶらな瞳、ソバカスだらけの生っ白い肌に存在を主張出来ていない唇ーー。  時生は日本人の父とケルト人の母との間に生まれた、れっきとしたハーフだ。ハーフのはずだ、が、

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    1.旅立ちの夜間飛行(後編)【キッスで解けない呪いもあって!】

    「ぎゃーっ! 待って、ちょっと待って!!」  このままではキスしそうになる。  この男とキスするのは嫌だ。断じて嫌だ。でもそれより……ってもうキスしそうじゃん!   と、その時だった。  少年が逃げ下がって寄りかかっていたジェットヘリのドアが、開いた。  あり得ない程いとも簡単に。  次の瞬間、少年の体は紺碧の空の中、緑に輝くオーロラのカーテンに包まれていた。  ヘリコプターが警報を鳴らし機体の体勢を整えようとする中、なんとかドアに捕まっている男が見える。どうやら落ちないで

    1.旅立ちの夜間飛行(後編)【キッスで解けない呪いもあって!】