ポールダンスするイカ(夢日記)

 私はヒステリックにないたり暴れた昨日から気分があまり良くなくて、やることがたくさん溜まっているのにも関わらず何もする気にならずベッドで一日を過ごし、結局夕方四時くらいまで寝ていた。やっと起きる気分になったのでスーパーに行ってみる。なんだかその日は鮮魚コーナーの品揃えが豊富で、生きたエイや大きなマグロなんかが置いてあった。「一杯400円!」と書かれた値札が気になって見に行くと、そこではたくさんのヤリイカがポールダンスをしていた。「買いたい人は店員さんに声をかけてください」と説明書きがあったので近くの店員に声をかけてみる。一杯がどれだけの量なのかわからなかったので、それも聞いてみて四匹くらいまとめて袋に入れてもらった。レジにいくと、坊主頭の、すごく彫りの深い顔をしたおじさんがエプロンをつけて、鮮魚系の商品専門でレジを担当していた。「レジまで持ってくるのに危険な思いをした人には値下げをしているよ!」と言われたので、「あ、私は店員さんにお願いして袋に入れてもらったので危険な目にはあってないです。。」と言って値札通りの価格で会計をした。値下げしてもらえたなら「店員さんに声をかけて!」と書いてあったやつに従わなければよかった。イカをどう調理するかそればっかり考えてワクワクしていたのだが、なぜか坊主の店員さんと話しているうちに、一緒に森に行こうという話になった。気がついたら私はそのおじさんと真っ暗な森にいた。私のそばには7さいくらいの小さくて無口な女の子。おじさんは日本語ではないどこかの言葉を話していて、私には何語かはわからなかったけど何を言っているのかは理解できた。どうやらおじさんの本業はエクソシストで、これから森に現れる巨大な悪魔といつも戦っているそうだ。早速悪魔は森の奥から現れた。身長30メートルくらいの重量感ある化け物は、よくみると金属っぽい質感の、何か機械のパーツのようなものが寄せ集まってその形を成していた。そいつは自分の体を使って私たちを攻撃するではなく、森に落ちている大きな瓦礫を念力のような見えない力で飛ばしてくる。おじさんは呪文を唱えて悪魔を退治しようとするが全くダメージを与えられていない。瓦礫と一緒に悪魔の念力で飛ばされてしまったのか、気づくとおじさんはいなくなっていた。横にいる小さな女の子を守れるのが自分だけになってしまったので私は必死だった。呪文も知らないしどうやって戦えばいいのかわからなかったが、やる気を出すと目から光線のようなものが出た。それは悪魔に命中したもののなんの攻撃にもならず、私と小さな女の子は頑張って戦ったが悲しくもぶっ飛ばされてしまった。

目が覚めた。「あ!イカを買いに行くんだった。」一日気だるくて動かなかった体が嘘みたいに軽くてイカの力ってすごいなと思った。いつものようにちゃんと服を着替えてメイクをして、買い物袋を持ってスーパーに行った、はずだったのに、スーパーに入るとジトジトした人の目線がやたら気になる。自分の体を見ると私はズボンもスカートも履いていなくて、トップスは薄汚い長袖シャツ一枚だった。店内にいる女たちの心の声が聞こえてくる。「あんな露出の高い格好をして、そんなにみられたいんだね」。男はジロジロと私の体を品定めするようにみてくる。怖くて惨めで誰とも目を合わせるのが嫌で下を向いて歩いていたらイカが売られているコーナーについた。やっぱりイカたちはポールダンスをしている。自分が下にパンツしか履いていないのを一瞬忘れかけたが、小学校時代の同級生の男の子二人がそこにいて、また見られているのが怖くて俯いた。でもふと冷静になって周囲を見渡すと、その男の子たちを含め私のことを見ている人なんか誰もいなかった。自分がどんな格好をしているのかともう一度気になってみたら、私は下にパンツしか履いていないわけではなく、普段から誰も外で着ているようなごく普通のショートパンツを履いていた。安心した私はイカのことを考え始めた。「明太子ソースと一緒に炒めてパスタにしたら美味しいだろうか。それともせっかく生きたまま手に入るのだから踊り食いでもしようか。直火で炙ってそのまま食べようか。よし、全部やりたいから四ひき買おう。」やっぱりイカはポールダンスを踊っていたので店員さんにお願いして次は家から持参したボウルに入れてもらった。ボウルに入ったイカは、さっきまで生きていたイカとは別物のようで、動かず、生気のない色で悲しい匂いを放っていた。その姿は少し悲しかったけれど食欲はそそられる。ボウルを持ってレジに向かった。

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