中学生時代の仲が悪かったクラス(合唱編③完結)



ー前回のまでのあらすじー



クラス仲が悪いけど、
合唱だけは熱心に練習する
中学生時代の私のクラス。

担任で音楽教師のM先生指導の元、
反抗期の中3には難曲すぎる

合唱課題曲『聞こえる』を、

全員が嫌になる程、
揉めたり、
泣いたりしながら

数ヶ月の練習を頑張ってきたよ・・・


そしてついに、

3年生最後の文化祭で発表する時が来たのだーーー
















文化祭の合唱曲発表は、

1年生→2年生→3年生と順番に進んでいく。




1〜2年生の合唱は正直、



「あまり練習時間がなかったのかな・・。」と思うほど、



まとまってなかったり、


本番だというのに
壇上でふざけてる男子がいたりして


 下の学年はこんなもんか、、、。と




熱量のなさに


ちょっと落胆した。











司会進行のアナウンスが入る。


  「次は3年生の合唱です。


   曲名は『時の旅人』、『聞こえる』」






『聞こえる』と一緒に練習していた
『時の旅人』という曲は

女子2パートと男子パートの3部のみで



メロディもわかりやすく、

覚えやすい曲だったので




早めにマスターしていたのである。





1曲目  『時の旅人』   


    〜♪




前奏が始まり、 



出だしから  




全員が




声を揃えて





歌い出すーーーーーーー








その瞬間から、






会場の雰囲気は一気に




私たちのクラスの合唱に






のまれていった。






ソプラノも

アルトも

男声パートも





しっかり声が出ていて







体育館に響いている。



(↓時の旅人はこんな曲です。歌ったことある人も多いかもです♪)



1曲目の時の旅人が終わった後、


会場が軽くざわついていた。


「やっぱり3年生は違うね・・・・」という声が

聞こえていた。






2曲目



     『聞こえる』

(youtubeに同曲の合唱がありました。こんな曲です。↓)





〜♪




静かな前奏から、






静かに優しい歌い出しーーーー






徐々にハモリ、


輪唱が入って、






ピアノ伴奏と一緒に


曲調が徐々に
激しくなっていき






4つのパートそれぞれが




  違うメロディーを歌う。




中盤にかけて
テンポがどんどん早くなる。







曲後半に入って






それぞれバラバラのメロディーを歌っていたパートが






一気に








同じ歌詞とメロディーで
ハモリ出す。






最後の






Ahーーーーーーーーーーーーー





と伸ばす部分は








ひろい体育館中に
ハーモニーを響かせていた。







曲が終わった瞬間の






会場の



「 ・・・はッ・・・! 」



とした感じ。




壇上で


ーーーやり切ったね!ーーーと


達成感を

声に出さずに
目線のみで
噛み締め合う。











見たか下級生たちよ。





これが合唱だ。













M先生は毅然とした表情で
生徒達の合唱を見守っていた。




生徒一人一人の心に
大きな達成感をもたらした
文化祭のステージでの
合唱発表。



安堵したのも束の間、




卒業式での合唱に向けて、




再度厳しい合唱練が始まるのであった。











卒業式当日の
合唱の後は




さすがにM先生は






泣いていた。









本当に
一生懸命、
指導をしてくれていた。


反抗期真っ只中のクソガキ共を相手に
頭を悩ませることも
とても多かっただろう。


当時のM先生はまだ30代前半で、
現在の私よりも年下だったにも関わらず


ヤンキーかぶれの男子生徒の嫌がらせや
クラス内での多々ある揉め事
三者面談での親御さんとの対話にも


常に毅然とした態度で接していた。



ヤンキーかぶれの男子生徒も

結局、M先生に1番懐いていたし、





女子たちからも「Mちゃん」と呼ばれ
だいぶ慕われていた。







M先生でなかったら、
私たちのクラスの担任は
務まらなかったかもしれないし、




何より、




文化祭と
卒業式の合唱という



素晴らしい時間を
人生の中で味わわせてくれたことに





とても感謝している。





大人になってからは
会うことがないが、

(会ったとしても私はいまだにちょっと苦手だなと感じるけど)





もし今後会うことになったら、

このエッセイを



プリントアウトして

封筒に入れて

こっそり手渡してみたい。






感謝の手紙にしては

表現がかなり雑ではあるが。








あれから20年以上経った
現在もきっと、

M先生は令和の
子どもたちに合唱を指導しているのだろうと思うと


なんだかとても嬉しく、
元教え子としては
誇らしい気持ちになるのだ。





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