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ひさしぶりに御座候を買って帰ったら、包みの中に紙が一枚入っていた。 公募した御座候にまつわるエッセイの中から選ばれた一編が掲載されており、年配の男性が大学生だった頃の思い出をつづったものだった。 御座候によく似た大判焼の店があり、十個食べるとタダになるというので柔道部の仲間五人で出かけた。全員完食し、数日後新たなメンバーも連れて再び店に行ったところ、「十五個食べたら無料」というルールに変わっていた------という内容である。 あれだけ餡がずっしりの大判焼を十個というのはな
年下の同僚が「最近、だんなが怪しいんですよね」と言う。彼女のシフトをやたらと気にし、夜勤の日にはきまって飲みに行くらしい。 「でもそれだけじゃあなんとも。“鬼の居ぬ間に洗濯”かもしれないし」 「誰が鬼ですか」 相手の“匂わせ”では?と思うようなこともあったのだという。 「え、ワイシャツに口紅がついてたとか?」 「違いますよ、ひと昔前のドラマじゃないんだから」 「助手席にイヤリングが落ちてたとか?」 「発想が古いなあ」 「こっちが身動きとれない夜勤を狙うなんてサイテーですよ。
先日、作家の林真理子さんが日本大学の次期理事長に決まったというニュースが流れた。 前理事長による脱税事件などの不祥事を受け、七月から新体制を発足するにあたっての人事であるが、林さんは二〇一八年に日大アメフト部の悪質タックル問題が起きたときから「日大のオレ様体質を変えなければ」と言っていた。 「日大というところはとことん根が腐っている。理事会を解体しなくては根本的解決にならない。こうなったら私が立候補する。もちろん無給でやる。母校のためにひと肌もふた肌も脱ごうではないか」 と書