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迷宮の攻略

長らく体調が悪くて、ひいこら言っていました。
感染症とか、そういうのではなくて、シンプルにお腹がくだってしまって、それが治らない。
始末が悪いことに、水を飲んでいるのに脱水症状になってしまいます。
今年の夏こそは、そういう事態にならないようにと、冷蔵庫のものは飲まず、常温の水だけ飲んでたのに、結果的には、うまくいかず。
お医者さんが言うには、暑熱順化がうまくできない。
温度差に自立神経がついていけてなくて冷えるからそうなるとのこと。
雨が降る前に、気温が30℃になったり23℃くらいになったり、そういうときに、お腹がくだるのが始まったのを思い出しました。
これは薬でコントロールできるようなものではないので、筋力というより自律神経を整えるような運動をしてくださいとのことです。
noteでも、YouTubeでも、そういう専門家はたくさんおられると思いますので、勉強させていただきたいと思います。

前置きが長くなりましたが、私はゲームの配信を見るのが好きです。
とくにストーリー性のあるゲームが好きなのですが、私は、下手過ぎて、すぐにやられてしまって、先に進めなくなるので、他人の実況を見て楽しんでいました。

ところが、延々と体調も悪いし、何も手につかなかったので、ちょっとゲームをやってみました。
反射神経や素早い判断力を求められるゲームは、難しいのでRPGをやってみました。

悪い魔物が世界に災いをもたらそうとしているので、仲間を集めながら、少しずつ、戦闘スキルを高めつつ先へ進めていくというようなゲーム。
王道といえば王道でしたし、ゲームの仕組みは頭の硬い私でも理解できました。
もちろん一番やさしいモードで初めて途中まで進んだのですが。

途中から進めなくなってしまいました。
だんだんダンジョン(迷路)が広くて複雑になってきて、シンプルに抜けられない。
しかも、迷路には様々な仕掛けがあって、階段を上がったり下がったり、鍵のかかった扉があり、その鍵を別のエリアで探してこなければならなかったり、別のエリアにあるスイッチを押すと迷路の道が変化して初めて通過できるようになる仕掛けとか……
ただでさえ迷うのに、仕掛けを解くために、あちこちまわっているうちに道がわからなくなり進めない。

情けなくなりましたが、悔しいので、メモをしながらやってみることにしました。
こんな広くて複雑な迷路を大きな紙に書くのは難しい。
それで、最初はカードでやってみました。

私はいらない書類の裏を使うために切ったものをたくさん普段からたくさん作っていましたので、それは、わざわざ買ったり作ったりする必要はありませんでした。
そして、次のようなルールで、メモをしていきました。

・道の始まりと分岐点までを番号と線で表す
・番号を対応させて続きを書く(基本的には数字が大きくなれば遠くなるように番号を振る)
・違う紙に続きのルートを対応させるところ以外は同じ数字は使わない
・階段は三本線みたいな記号で、上下がわかるようにする
・区画(階上、階下、別エリアなど)はA,B,C というふうに振っていき、出入り口の番号と一緒に書く。

イメージとしてはコマ地図みたいなものでしょうか。
具体的には、こんな感じです。⑤で別のエリアに抜けるなら、Aのつぎ、Bと書く。

そうしたら、仕掛けを解くために、行ったり来たりしていても、迷うことが少なくなりました。
ダンジョンを攻略できるようになりました。
メモした番号が80番くらいまであったダンジョンがありました。
分岐点が60~70くらいあるということになるのかな。
でも、無事クリアできました。



普通に道に迷わない人や、理系の人、ゲームができる人から見たら、こんな話はお笑い草だとは思うのですが……
理系の人なんか、ほんとに馬鹿みたいだと思うのです。
前、理系の優秀な頭脳を持っている叔父の話

をしましたが、私は正反対。
ほんとに、自分は頭が悪いと思っています。
頭が悪いというか、不器用この上ない。

でも……
複雑で広い迷路でも、小さな紙をたくさん用意して、単純な番号と線と記号に落として対応させ繋いでていけば、脳の空間や映像情報処理が悪い人間でも、なんとかなる場合があることがわかりました。
それと、いいことが、一つありました。
以前として方向音痴ではありますが、空間の情報処理の能力が少しだけ上がった気がします。
私は(検査は受けたことはないのですが)たぶん、発達障害グレーゾーンだと思うのですが、片付けが非常に苦手です。
それが、ものが少しだけ片付けやすくなったのです。
それは、自分が、どういう状況や分野では知覚した世界を統合しにくいか。それが少しずつわかってきたからだと思います。

ゲームだけではなくて、シナリオを書いたり、ボイスドラマを作ったりしてるのも影響しているかもしれません。
どの位置にいて、どのくらいの距離、どの方向に向かって、どんな姿勢で話しているのか。
そういうことを意識して、シナリオは書き、演じていただく方には、ディレクションする必要があります。
そうじゃないと、演じているのではなく、読んでいる感じになる。

映像がない声の演技でも、そういうことが意識されているか、されていないかで、まるっきり違うということを、シナリオや配信の先輩から、いろいろ教わってきたし、自分でもそう感じています。
そういうのも大きいかもしれません。
何にしろ、できなかったことが、できるようになるのは嬉しいことです。

話は戻りますが、配信を見ていて、ゲーマーの人は、空間情報処理が凄い。
私は二次元のゲームをやりましたが、三次元映像のゲームのルートはもっと大変です。
三次元の迷宮の中で、武器などの設定がなく、ひたすら敵から逃げながら、(敵の注意をそらす爆竹があったりはしますが)謎を解いて先に進めていくゲームもあります。
うまい人は初見でも「なるほど……」とか言いながら、抜けていくし、
狙撃できる要素があるゲームなら「この辺に隙間は……この角度からなら……」とか言いながら、プレイしている。
プロだから(プロの方のをよく見ています)当然なのかもしれませんが、あんな複雑な構造物のルートと隙間を視聴者が、楽しくなるようなトークをしながら見つけていくのは、本当に凄いと思います。

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