マリオカートで逆走する奴は免許が取れない〜前編〜
自動車教習所に通ったのに運転免許が取れなかった。
否…正しくは私には車を運転する才能、もしくはセンスと言った方がいいだろうかが著しく不足していた。
え、そんなことあるんですか?って?
あるんです😇😇
実際に教習所でハンドルを握るまで免許なんて教習所に通いさえすれば誰しも取れるものだと思ってた。
日常会話の中で免許のあるなしについて誰しも一度は話題にしたことがあるだろう。
ここで言う免許とは「普通自動車第一種運転免許」を指していて、外に出れば老若男女さまざまな人が車を運転している。
一般的な資格の1つだ。
田舎育ちの私は車社会で育ってきた。
こんなにもあたり前のように誰もが運転できるなら私だって、と信じて疑わなかった。
さらには私より遥かに運動神経のよくない母でさえ、子育てのひと段落した40代でMT車の免許を取ったのだ。
その事実が私により一層根拠のない自信を与えてしまっていた。
…まあ、運動神経云々は免許の取得には関係ないのだが。
車を運転できるようになりたい。
漠然と思ってはいたけれど日常生活でそこまで困ることはなかった。
東京で生活している限りは交通網が発達しているから車がなくても大抵のところへは行ける。
車でしか行けないところには夫に連れて行って貰えばいい。
だが、実家周辺は車移動できなければスーパーに行くことさえできない。
それに趣味の一人旅でも運転ができればより活動範囲が広がる。
免許なしで長いこと過ごしてきたのに一度取りたいと思い始めるともう止められない!!
教習所へ通うぞおおおお!
家の車も実家の車もMT車だ。
必然的にMT車の免許をとる必要があった。
申し込みの際、受け付けの女性にAT車を勧められたがMT車希望を貫いた。
それならと技能の追加料金がかからないオプションを促された。
内心不要では?と思ったが、そこまで言うならと付けてみた。
お姉さんには私の未来が見えていたのだろう。
土日と平日夜合わせて4ヶ月も通えば取れるだろう。
あれこれと説明を受け申し込みが終わると視力検査を受けた。
この時はやる気いっぱい、夢いっぱいだった。
周りにも教習所へ通い始めたことを報告した。
今思えばその時の私を全力で止めたい!!!
免許なんてそう簡単に取れる甘いものではない。
車の運転には向き不向きがある。
そして残念ながらおまえは(私)は決定的に運転に向いていない!!!
悪い事は言わないからせめてAT車にしとけw
教習所は入所時に視力ではなく申込者に運転の適性があるかを検査すべきと切に思う。
車の運転とは瞬時に複数のことをこなし判断する能力が必要だ。
運転技術云々だけではないのだ。
これってかなり高度なことだ。
手と足で違う動きをしながら、前を見て歩行者や信号、道路標識、対向車...さまざまな情報から次の自分のアクションを瞬時に判断しなくてはならない。
難易度高すぎんか?
なんでこれをみなさん早い人は2.3ヶ月で取得できるん?
私、1年かかっても取れる気しないんだけど😇
通い始めてすぐにこれは難航するぞという感はあった。
MT車はまずクラッチ操作に慣れなくてはならない。
そしてギアチェンジを自身で行う。
前を見ながら左手で操作するが思ったところに入らない。
初めはMT車を選ぶ女性はほぼおらず、めずらしいためか先生たちも優しかった。
私が手こずるだろうことは織り込み済みだったのだろう。
だが、そのうち想像を遥かに越える私の鈍臭さに苛立ち、呆れているのが伝わってきた。
悔しい。できない自分が。
電車や会社で無意識に踵を地面につけ爪先を空に向け、クラッチを踏む練習をしていた。
でも実際車に乗ると緊張もあってか思うように操作できない。
夫や父、友人にもクラッチ操作のコツを色々聞いた。
今はスイスイと簡単に運転しているように見える人たちも教習所では苦い思いをしたらしい。
心折れそうになっていたがその話を聞いて少し励まされた。
みんな苦労して今があるのだ。
はじめからうまく操作できる人なんてきっとわずかだ。
そもそも私はレースゲームも周りが引くほど下手くそだった。
友人宅でマリオカートをした時も一人逆走していたではないか。
3ヶ月は無理そうだけど、教習期限9ヶ月目一杯使って確実に技術を習得して免許を取ろう!
行きたくない気持ちをなんとか奮い立たせて教習所へ通った。
続く
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