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【小ワザ】シルエットサインを使いこなせ!!

どもー、ねこのてです!!

 冬なのに、今日のお昼はすごくぽかぽか。その時間だけ、少し春っぽさを感じてました。私は結構な積雪地域に住んでいるんですが、今年は本当に雪が多くて寒いんです!誰だ暖冬だって言ってたやつ・・・!暖かくなるのが待ち遠しいっす。。

 えーと、今日の記事は、画像を読む時に知ってると少し得する有名なテクニックです。放射線医学の領域では、画像を読影する際に様々なサインが知られていますが本日ご紹介するものは、「シルエットサイン」。X線を用いた放射線画像の中でも、主にレントゲン画像にこのテクニックを使います。

レントゲンの画像って、X線の透過度の違い(減弱係数)を影絵にしたものでした。今日の話は減弱係数って言葉が出てくるので、「?」って人は以下を参照お願いします!


 じゃあ、この減弱係数が同じような物体が近くにあったときは写真にどううつるでしょう?これまでの記事を読んでもらえれば、「おんなじグレースケールで表現されるんだから、二つの物体の区別がつかないんでないの?」と思われた方がほとんどでしょう。
実は、区別がつきにくいのは確かなのですが、正解でも不正解でもあるんです。これがシルエットサインとはなんぞやに繋がります。絵で見てみましょう!

こんなものを用意しました!

 何か物体を目掛けてX線が飛んできて、透過してきたX線を受光部と呼ばれるX線検出器(緑色の線で表現してます)で受け止めるとレントゲン写真が出てくるシステムです。
 この物体のところに、似たような減弱係数を持った物体A、物体Bをこんな感じでくっつけて置いてみます。写真にはどううつるでしょうか?

答えは、こうです。

二つの物体の間に境界が消えてしまいました。では、今度は二つの物体を少し距離を離して置いてみます。

今度は、どんな感じに写真にうつると思いますか?答えは、こんな感じになります。

今度は、二つの物体の間の境界が消えません。


「減弱係数が同じ(似たような)物体が接しているとき、X線写真上でこの二つの物体の境界は見えない(シルエットされる)」ということになります。これをシルエットサインと呼んでいて、二つの陰影の境界が消えている(つまり接している)時をシルエットサイン陽性、境界が判別できる(物体は離れている)時をシルエットサイン陰性と言います。

何回もしつこいですが、X線写真は減弱係数の影絵なので、奥行きの情報がつぶれています。その中でも、このシルエットサインを使うことで、「ここに何かあるんじゃないか」っていう存在の位置情報を考えることが可能なのです。

「レントゲン撮ったら、心臓に接して何か軟部組織陰影があるけど、シルエットサイン(+)だから心臓に接する位置に何か腫瘍あんのかな?、、、要check!!」ってな感じで。

 レントゲン写真を見るときの一つのツールとして頭の引き出しに入れておけば、役に立つ時がありますよーー!!


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