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映像チームより愛をこめて(1/3) #金曜トワイライト

上の乾杯イラストは、ある“動画”から切り取ったものです。イラストを描いたのは私。

原画はこうでした。

背景↓

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人物(手)↓

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合体して編集↓

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すんげー!
シャンパングラスがキラキラ光ってる!
透明感がすごい!
しゅわしゅわいってる!
このまま一気に飲み干したい!


編集してくれたのはこの方です。涼雨零音(すずさめれいん)さん。


おもに小説を書かれています。
この掌編が独特すぎる魅力にあふれていて好き。

もうタイトルから言葉が破綻してる。なのに文脈はとてもしっかりしている。発想はもとより、ひとつの作品として書き上げる腕がすごいです。尊敬。

いま私はこのnoteを、池松潤さんの「金曜トワイライト文学賞」から生まれた映像作品を紹介するつもりで書いています。が、ちょっと池松さんのことは置いといてこのまま続けます。


涼雨さんね。noteに私の「みんフォト」水彩イラストを使ってくれたんですよ、何度か。それがご縁で知り合いました。「涼雨零音」というペンネームは、元タカラジェンヌの「涼風真世」からイメージしたものだという。大地真央さまのご尊顔を拝するために宝塚歌劇場に通っていた私は、このエピソードに大いに食いつきました。

そこからTwitterでもちょいちょい話をするようになりまして、「めがね を めでる」という涼雨さんのエッセイでご本人が眼鏡をいくつも持っていることを知り、なんとお風呂用まであるというので、それはすごいな、ほんとに眼鏡を愛してるんだなあと思ったわけです。

眼鏡はお風呂場のような湿気のあるところで使うと痛みが早いと聞いたことがあります。涼雨さんはそのことをふまえてわざわざ傷んでもいい(以前使っていた)眼鏡をお風呂用におろしたのだと。

私も視力が悪く、お風呂にはほとんど手探りで入っているので、かけられる眼鏡があるのはいいなあと思いました。そこで涼雨さんにこう言葉をかけたんです。「洗うところがはっきり見えるっていいですね」って。

気軽な女子トークのつもりでした。

そのあと、涼雨さんが男性だと知るまでは。


さっきの私のセリフ、男性に言ってるものとしてもう一度読んでみてください。

「洗うところがはっきり見えるっていいですね」

変態か。


涼雨さん、文章の一人称が「わたし」なんですよ。宝塚好きだし、アイコンかわいいし、完全に女性だと思ってました。ごめんなさい。

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この自画像は涼雨さんご自身が描かれたものです。ちびキャラ。やっぱかわいい。

涼雨さんは神の使いかと思うぐらい多才でして、映像編集・小説・絵のほかに、かつてはプロミュージシャンを目指していたほど音楽にも造詣が深い。そのうえ、私にとっては最大級に尊い要素までお持ちの方なんですよ。やんなっちゃう。


さて、そろそろ金曜トワイライトの話をしましょうね。池松潤さんとやりとりしたTwitterのDMをさかのぼってみたら、「こんな文学賞やっちゃうよ!」というプレ予告があった数日前に、映像化作品のイラスト打診が私にありました。いつも唐突。

受賞作品のひとつを映像化しようと考えてます。映画のCMみたいなやつ。こんなイベントは今までにないからどうすればいいか一生懸命考えてます。

実際にCM撮るのは大変だから、アニメっぽくしようかと思う、というお話でした。アニメを作るのだって大変です。キャラを1秒動かすのに静止画を12枚ぐらい描かないといけない。だからアニメ”っぽく”。少ない静止画をなんとか駆使して、"動くイラスト"的な作品に仕上げたいというのが池松さんの野望でした。

年末から年始にかけて、二人で何度か打ち合わせました。まずは曲選び。そこからイメージをふくらませ、池松さんが脚本を書きます。ナレーションが欲しい、誰かおねがいできる人はいないかな?と聞かれ、私は即答しました。

「ぜひ推したい人がいます。涼雨零音さん!」


そうなの。

彼のね、声がね、超ダンディーなんですよ!!!
ブランデーのCMナレーションとかやってほしい。

スタエフ配信してるんです、涼雨さん。
はじめてその声を聴いたとき、私の心に衝撃の稲妻が走りました。
ビッカーン!ビッカーン!
2本走りました。

1本め。"めちゃめちゃイケボやんけ!"(イケメンボイス)

2本め。"こんなイケボの人にエロトークかましとったんか!"(風呂眼鏡)

イヤフォン必須の生声に、耳とハートをわなわな震わせたのでした。


だからね、ナレーションには涼雨さん一択!
私のイラストにあの声が乗る俺得!

「あ〜、涼雨さんいいよね。俺もスタエフ聴いてる。彼に声かけてみますわ」
zoom越しに聞こえる池松さんの声に「よろしくおねがいします」と冷静に返しながら心の中で、

"よっしゃ、キタコレーーーーー!!!"

と歓喜の拳を突き上げた次第です。

(余談ですがさっきからね、涼雨さんの涼の漢字を打つたびに予測変換で最初に現れるのが"鈴木達央"なんですよ。わかる人だけわかって。タッツンの甘い声がいちいち脳内再生されるのよ。声ヲタつらい)


ここからマジメにやります。


「金曜トワイライト文学賞」の総合大賞を受賞された湖嶋いてらさんの『レモンドロップ』をアニメっぽく映像化した作品が、2月13日(土)にYouTube公開されます。

先行して原画をいくつか紹介しますね。


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動画の雰囲気をなんとなくイメージしてもらえたら嬉しいです。


総合大賞受賞作品はこちら。

内気で地味な自分に縛られてきた人生だった。言いたいことを飲み込んで、やりたいことを押し込めてきた人生だった。

そんな年月が染み込んだ長く重たい黒髪を、ばっさりと切り、慣れない誘いに乗って美術館に出かけたあの日。
変わろうとしていた。
本気だった。

<湖嶋いてらさん『レモンドロップ』より>

2作めの小説なんですって。それで総合大賞。すごい。


映像作品についての詳細や、映像化にかける池松さんの熱い想いは、このnoteでどうぞお確かめください。

置き換えてみると「書籍の映画化」に相当するものは「何」なのかを考えると。受賞作品を映画化するのはちょっとスケールが大きすぎて直ぐには実現できそうにありません。では映画化を妄想してそのCMを作るのであればどうだろうか。その長さならTwitterやInstagramにも動画を流せます。60秒くらいならばなんとか作れるだろう。もしかしたら「note陸の孤島問題」という「ちっとも読まれないnote問題」への新しい解決方法の一助となるかもと考えたのです。


映像作品『レモンドロップ』のYouTube公開は2月13日(土)です。
どうぞたのしみに待っててくださいね。




あんまりおしえたくないけどおしえちゃう。


最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたにいいことありますように。