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ぼくのツトム君

今朝のNHK『あさイチ』で、むかし流行った童謡『山口さんちのツトム君』が話題になっていました。1976年『みんなのうた』で放送され、大ヒットした曲です。私はいまでも3番までばっちり歌えるほどこの歌が大好き。なつかしさのあまり当時の映像をネットで探しました。

見つかりました。

衝撃。


なんと、ツトム君のお友だちは、男の子じゃなく女の子だったのです!

うそやん・・・

だって、歌ってたの男の子だったよ?女の子じゃなかったよ?え?私の記憶違い?女の子が歌ってた?

これは私にとっては一大事です。なぜならこの歌は、歌い手が男の子であることに大きな意味があるからです。もし女の子だったら、歌の魅力が半減しちゃう。必死になって調べました。

わかった、からくりが。


当時、斉藤こずえちゃんという大人気の子役が、この歌を歌っていたのです。別枠で。みんなのうたでヒットしたから、こずえちゃんでもっと売ろうという大人の思惑が働いたのかもしれません。

みんなのうたで歌っていたのは、当時NHK東京児童合唱団に所属していた、川橋啓史くんでした。男の子!ブラボー!私の記憶と長年温めていた特別な想いに間違いがなかったことが、これで証明されました。

1976年なんて石器時代ぐらいに遠い人のために、『山口さんちのツトム君』について簡単に説明しますね。啓史くんの舌足らずな歌声ももちろん素晴らしいのですが、なんと言っても醍醐味は歌そのものにあります。明るくPOPなのになぜか哀切なメロディ。そして歌詞!作詞作曲はみなみらんぼうさんです。

3番まである歌詞を全文掲載したいところですが、著作権法を確認するとそれはダメって書いてある。不本意ながら、私の言葉で綴ってみます。


『ぼくのツトム君』

ぼくのお友だちのツトム君、このごろ元気がないみたい。

あそぼうよって誘っても、あとでね、なんてつれないの。

あんなに自慢してた三輪車も雨の中にほったらかし。

おはようって声をかけても返事すらしてくれない。

どうしたのかな、ツトム君。ぼくとっても心配だよ。


ここまでが2番の内容です。次の3番が肝。


ツトム君が元気になって、イチゴをたくさん持ってきてくれた。

ママのいなかのイチゴだって。ママはいなかに帰ってたんだね。

ママに会えたツトム君、すごくすごくうれしそう。

摘んだばかりのイチゴだってね。なんだか少しすっぱいね。


そう。これこそが私の『やまツト』です。あくまで「ぼくの」ツトム君なんです。これを歌ってるのが女の子だったら、私の世界観は総崩れ。男の子だからいいんです。啓史くんだから成り立つの。ほんとよかった、啓史くんで。ありがとう。

ただちょっと引っかかるのは、みんなのうたのMVを私がまったく覚えていなかったことです。調べた映像はどこからどう見ても女の子の主人公が、ツトム君を心配したり励ましたりして、最後には一緒に仲良くイチゴを食べて終わるという、とてもかわいらしいイラストアニメなんですよね。このアニメを見ずに歌だけ聞いて覚えたとは考えにくい。アニメ見ながら口ずさんだはずです。何回も何回も。なのに1ミリも覚えてない。

これは推測ですが、たぶん私、記憶を抹消したんでしょうね。啓史くんの歌声を何度も聴いているうちに、幼い私の脳内でひとつの物語が作り上げられたんだと思います。(歌っているのは男の子。ツトム君も男の子。これはふたりの男の子のお話。秘密の恋の物語)この二人を守りたい一心で、アニメの女の子は見なかったことにしたんだと思います。

歌詞にはほかにも私なりの解釈があって、もうちょっとおつきあいいただいてもいいですか?田舎にね、帰っていたツトム君のママね。まだ三輪車に乗っているような歳の我が子を置いて帰るって、よほどのっぴきならない事情があったんだと思うんですよね。

最初、出産のための里帰りかな?と思ったんですが、だったらツトムも連れて帰るはず。学校とかないんだもん。帰ってきたママをツトムが喜んで迎えたところからも、赤ちゃんが一緒じゃないと確信しました。だってそばにいなくてあんなに落ち込んでいたツトムが、赤ちゃんをかわいがるママをそう簡単に受け入れられます?イチゴなんかいらないよ!って庭に放ってパパから怒られるんじゃないかなってそう思ったんです。

となると、答えはひとつ。ママは静養しに帰ったんです。病気がちなの。ツトムはパパとお留守番。ツトムは一人っ子。みんなから愛される、純真無垢な男の子なんです。

以上の内容をふまえて、たぎる思いを1枚の紙にしたためました。ご覧ください。


山口さんちのツトム君


今回、この記事を書くのにいろいろ調べていたら、『山口さんちのツトム君』にアンサーソングがあることがわかりました!『ユミちゃんの引越し 〜さよならツトム君〜』という曲です。この歌がまたすごくいい!歌詞の内容から、ツトム君はやっとひらがなが読める歳の子で、相手のユミちゃんはおてんばな年上、そしてやっぱり女の子だったという事実がわかります。

興味のある方は、いろいろ調べてみてくださいね。

私の『やまツト』はこの先も永遠にツトムとアキラの物語です。(完)

最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたにいいことありますように。