![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/78365759/rectangle_large_type_2_2e41e70ebeae6290e2ec128ff24dbce6.png?width=1200)
Photo by
poyo1021
あの日葬儀会館で
以前働いていた会社に、やんちゃという言葉がぴったりはまる人がいた。イガグリ頭、大きな目がよく動き、白い歯を見せて笑う。50代半ばでマラソンに汗を流す、スリムな体型の陽気な人だった。タバコを吸い、お酒を好んだ。
3人の子どもはみな成人しており、孫が何人かいた。唯一未婚の娘はどこかを患っているようだった。その娘と妻と3人、大きな家で暮らしていた。
ある朝、彼が欠勤した。ほどなく訃報が届いた。同じ名字で女性の名前。享年28歳と書かれてあった。その晩通夜があるという。社内で話し合い、行ける人だけで葬儀会館に向かった。道中、ある人がこう言った。どうやら自死のようだと。
ここから先は
892字
¥ 100
最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたにいいことありますように。