見出し画像

手仕事Gift

とってもシャイな人なので、事前に「書いていいですか?」ってDMしたら、「いいですよ!ちょっと照れ臭いけど」とやっぱり恥ずかしがりながらもOKしてくれました。

Giftをね、貰ったんですよ、その人に。夏の終わりごろから「なんか作ってるな〜」とは思ってて。

↑水琴窟?(映り込んでるのはふみぐらさん?)

↑墨絵でも習い始めたとか?

↑なんだろう、これは。「企んでる」って何を?

呑気に会話してたんですが、このとき私が予想してたのは、ふみぐらさんが小さなお店を始めるんじゃないかって。その、ちょっと変わった布製の看板を作るのに、象形文字かなんかの練習してるのかなあ?と思ってました。

象形文字は合ってた。布も合ってた。ここまではっきり写真にもなっているのに、全然わかりませんでした。

だってさ、これがGiftとしてうちに届くなんて!夢にも思わないじゃないですか!

画像1

手染めの手ぬぐいだったんです。なんということだ!!!

四つ折りの小さなパンフレットの表には、

「寄せ文庫」製作委員会のみなさんへのギフト

とあります。中を開くと、「藍染め手拭いについて」の解説や、「デザインについて」の説明が丁寧に書かれていました。

IMG_1534のコピー2

私のところに届いたのは「人と出会う」でした。て言うか、このパンフレットもすごくない?「寄せ文庫」製作委員会スタッフ9人のためだけに、こんなの作って印刷するってすごくない?説明文でもふみぐら節。ちょっと待って。

更にこの隣のページには、工程作業中の写真が4枚載っていて、そこにも解説文が添えてありました。

IMG_1534のコピー

左上/青花液でデザインを描いていきます。
右上/描いたデザインの上を縫って染まらないように固く絞ります。
左下/ムラにならないよう常に動かしながら3分間染め液に浸します。
右下/染めと酸化(空気に触れさせる)を繰り返すこと5〜6回。

デザインはヤギさん。絞りは妻ヤギさん。染めはお二人で。
ヤギさん楽しそう。長靴が似合ってる。

このパンフレットと手ぬぐいと、一筆箋にしたためられたお手紙を手に取って、私はしばし呆然としました。こんなに手の込んだGiftってあるだろうか。これほど細部にまで心のこもった贈り物を、たった一組のご夫婦が9人ものひとのところへ届けようと思うだろうか。

ふみぐらさんと奥さまが、このGiftにかけた丁寧で深い愛情、費やされた尊い時間が、自分の体の中へじんわりと染み入るのを、私はじっと待ちました。待ちながらこう思いました。ああそうか。いま私がこうして感じているのと同じ気持ちを、お二人も感じたんだな。『ふみぐら小品』を手にしたときに。

自然とそう思えて、私のいる岡山とふみぐらさんたちの住む信州が、まるで一本の太い糸で繋がったように感じました。『ふみぐら小品』は、作って届けて終わりじゃなかった。この手ぬぐいのGiftが贈られて初めて、完成したのだと思いました。

画像4

パンフレットの裏側に「使用上の注意」が書いてあります。

*できれば手拭いは大切に取って置くより、がんがん普段使いしてもらえたら嬉しいです!

使いますよ。がんがん普段使いしますとも!私はタオルハンカチの代わりに持ち歩くほど「手ぬぐいユーザー」なので、外出先のトイレのあとに手を拭いたり、草むしりの汗をぬぐったりと、ばんばん活用しています。「ヤギ手拭い」はほかの手ぬぐいにない柔らかな肌触りが魅力。手洗いするたびに愛着が増しています。

これ、たまたま家に転がっていた瓶なんですけど、

画像5

無骨で頑固な佇まいが、どうでしょう。

画像6

探検好きのかわいい勇者にでもなったかのよう。

これからお鍋の季節は蓋を取るのにも重宝します。信州のヤギの毛並みと立派な顎髭に思いを馳せながら、手仕事Giftを愛用するぞ。

ヤギさん、妻ヤギさん、大切な日常を私たちのために使ってくれてありがとう。たっぷりの愛をありがとう!




この記事が参加している募集

#noteでよかったこと

48,439件

最後まで読んでくださってありがとうございます。あなたにいいことありますように。