物権変動 即時取得など 今日の民法15

○生前処分と受遺者の優劣
・包括受遺者と生前処分受益者では、生前処分受益者が登記無くして勝つ(包括受遺者は被相続人と同様の地位を引き継ぐため対抗関係にない)
・特定受遺者と生前処分受益者では177条対抗関係に立つため登記で決する
(特定受遺者が相続人であっても同様
特定遺贈の部分は被相続人の地位を引き継ぐというものではないため) 

・所有権移転登記をしないという特約は無効

・同意なき中間省略登記の中間者は、代金を受け取っていないなどの正当な利益があれば抹消請求ができる(同時履行の抗弁権を失ってしまうから)

・占有権、留置権は占有継続が存続要件かつ対抗要件、占有を失うと消滅する
・質権は占有継続が対抗要件ではあるが存続要件ではないため占有を失っても質権は対抗力を失うが消滅しない

○動産の対抗要件の欠缺を主張できる第三者
・賃借人は当たる
・受寄者は当たらない(受寄者の二重弁済の危険は478条の準占有者に対する善意無過失弁済の規定で処理するのが判例の考え)

○無記名証券は全て民法即時取得の適応はない(小切手法善意取得の適応となった 改正)

○消費貸借契約で借りた物は即時取得の対象となる(即時取得は所有権、質権が対象となるところ消費貸借契約では所有権が移るため)

・譲渡担保権を即時取得できる(所有権的構成)

・錯誤、詐欺、強迫、制限行為能力者規定(直接の相手型である場合)と即時取得が競合する場面では即時取得は認められない(Aが無権利者で錯誤でBに売却した場合にBは即時取得できない
(即時取得は確定的に有効な取引が対象)
(他人の物を売却した者を保護する結果となるが視点が違うためこの結論となる)
・即時取得と無権代理が表現した場合にも即時取得は適応されない
ただし、代理人とされる者が代理意思がない場合はもはや無権代理ではないので即時取得可能
また、無権代理であったとしても本人が無権利者だった場合には即時取得の場面を適応できる
また、無権代理人の相手方から更に譲り受けた者は即時取得できる
(無権代理の規定が適応されるのは直接の相手がだけであるから)

・取消前の第三者と即時取得では、即時取得を適応することができる(類推)

・即時取得の平穏公然善意無過失は引き渡し時を基準とする
引き渡し後悪意になっても良い
契約時善意無過失で契約後引き渡しまでに悪意になったらダメ

○二重売買198条対抗要件と即時取得の競合
・第一の売買による引き渡し前に売買が行われた場合は198条の適応
先に対抗要件(引き渡し)を備えた方が勝つ(198条対抗要件なので占有改定でももちろんいい)
(1.Aに売却 2.Bに売却 3.Aに引き渡し 4.Bに引き渡しの場合でAが勝つ)
・第一の売買及び引き渡しの後第ニの売買、引き渡しの場合は即時取得の適応
(1.Aに売却 2.A引き渡し 3.Bに売却 4.Bに占有改定以外の引き渡し であればBが公然平穏善意無過失であればBが勝つ)

・質権者は質物を失った場合は場合には、即時取得者に対するの盗品遺失物の回復請求は使えない
(動産質権者は占有継続が対抗要件であるから占有回収の訴えしか使えない
もっとも占有回収の訴えは善意の特定承継人には行使できないため、即時取得者に対しては結局何ら返還請求はできない)

・判例の立場では即時取得物については2年間は所有権は移転していない
(遺失物等品の回復請求は占有を回復する制度とする)

・即時取得された物が滅失した場合には
もはや遺失物等品の回復請求はできないし、それに代わる損害賠償請求もできない

・即時取得物の遺失物等品回復請求は特定承継人にもできる(即時取得者なので当然善意無過失の承継人)

・遺失物等品回復請求を受けた
競売、市場、同種の物を販売する者からの即時取得者は
対価を受けるにあたり請求を受けるまでの利息を得ることはないし反対に使用利益の返還もしなくても良い

お疲れ様でした😊
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