見出し画像

東京ディズニーランドに行こうとするたび、行くことを阻まれ続けた人生の話

私は関東生まれ関東育ち。にもかかわらず、30歳になるまで東京ディズニーランドに行ったことがありませんでした。友達には半ばネタ的に生きた化石扱いをされていました。

いや、興味がないから行かない、というのなら良いのです。そうではなく、私は子供の頃から行きたくて、何度も行こうとしました。特別ミッキーファンというほどでもないけど、一度は行ってみたい夢の国。これが例えば北海道や沖縄在住なら距離的に諦めも付くでしょうが、私の家から鈍行で2時間もかかりません。周りの友達は100%に近い状況で行っています。とっても楽しそう。私もディズニーランドに行きたい!

それなのに、ディズニーランドに行こうとするたびになぜか毎回何かが起き、行く機会を阻まれてきました。

そして、30歳になったとき、なんとか無事にディズニーランドの地に降り立った私を待っていたものとは・・・?

長くなりますが、お付き合いください。


中1:母方の祖父の葬式でディズニーランド遠足に行けない

私が通っていた中学校は、毎年1年生の遠足の行き先がディズニーランドでした。遠足でディズニーランド、ワクワクしないはずがない。遠足は小1から毎年必ず元気に参加してきました。ついに私も初ディズニーの機会がやってきたのです!!

ところが。

遠足の前日に、関西に住む母方の祖父が他界しました....。大往生。めちゃくちゃ大好きなおじいちゃんでした。

遠足当日の朝。クラスメイトがバスでディズニーランドに向かう中、私は家族と山陽新幹線で祖父宅へ。

行けなかったディズニーランド。代わりに生まれて初めての葬式体験。仕方ない。人生そういうこともあるんだ。

ちなみに同じ中学校に通った妹は、ちゃんと中1でディズニーランド遠足に行きました。

中3:祖母の危篤でディズニーランドに行けない

中3の受験も終わった春休み、友達数人でディズニーランドに行く話が出ました。今度こそ待ちに待った初ディズニーです!家族でいくような家庭ではありませんでしたが、お年玉も貯めていたし、親も許してくれました。

しかし、ディズニーランドに行く予定の前日、同居中だった父方の祖母が危篤状態になり、ディズニーランドに行っている場合ではなくなり泣く泣く諦めました。私以外の子達は行ったはず。またしても行けなかった・・。(祖母は回復しました。)

高1:毎年ディズニーランド遠足が恒例だったはずの高校で、なぜか私の学年だけ行き先が「東武ワールドスクエア」になる

私が通っていた高校は、ディズニーランド開園以来「1年生の遠足はディズニーランド」というのが恒例でした。今度こそ!!と入学が決まったときから楽しみにしていたくらいです。

ところが。

いったい何の力が働いたんでしょうか。私の学年、急遽遠足先が「東武ワールドスクエア」になりました。みなさん知っていますか、栃木にある東武ワールドスクエアを。いや、東武ワールドスクエアが悪いのではない。世界中の有名建造物のミニチュアが見れます。多分、東武ワールドスクエアに行こう!と思って行ったら楽しいところだと思います。

でも、この場合そうじゃないんです。毎年の恒例行事、何故うちの学年だけ変わるのでしょうか、ねえ、神様?

東武ワールドスクエアは、それなりに楽しかった思い出があります。写真も撮りまくりました。写真の私は笑顔です。行けば楽しいんです。楽しいんですけど。

私はまたしてもディズニーランドに行けなかった!!行けなかったよ!!!!!(泣)

行き先については多くの色々な声があったようで、私の下の学年からは再びディズニーランドに戻りました。結果、ディズニー開園以来、遠足でディズニーランドに行っていない学年は私の代だけだと思います。ちなみに妹も同じ高校だったんですが、妹はここでもちゃんとディズニーランド遠足に行っています。・・・くっそ羨ましいな!!?!?4歳しか違わないのに!!!

高2:父方の祖母の葬式でディズニーランドに行けない

高校二年生。またも友達とディズニーランドに行く計画を立てていました。が、その2日前に父方の祖母が他界。前回危篤で私のディズニー行きを阻止した祖母はその後元気に過ごしていましたが、ここで亡くなりました。お友達はディズニーランドへ、私は葬式へ。

この辺でさすがになんだかおかしいと思い始める。

19歳:超巨大台風直撃でディズニーランドに行けない

19歳、私はとある学校で音楽にどっぷり浸かっていました。やることも多くて、毎日数時間は鍵盤を弾いていた時期です。そんな中、なにかの折に友達とディズニーランドの話になり、行ったことがないと言う話をしたころ、「なんで?」と。

まぁそうなりますよね。私が知る限り、関東人は1回は遠足で行っているはずなのです。私が同じ事言われたらやっぱりそう聞くでしょう。そこで、仕方なく上記の話をしたわけです。

そうしたところ、親友のAちゃんが「そんなの絶対偶然だから、一緒にいこうよ!」と心強い言葉をくれたのです。Aちゃん、女神かな。日程もすぐ決めました。

そしてディズニーランドに行く当日。天気が悪いとか台風が来るかも?とは聞いていたのですが、ちょっとくらいの雨だったら行くことにしていた私達が早朝に目が覚めたときに目にしたものは

・・・窓を1mmも開けられないほどのバケツをひっくり返したような土砂降りの雨と、木がなぎ倒されるくらいの稀に見る暴風でした。超巨大台風上陸。

Aちゃんに連絡したところ、「これは無理だね・・・」となり、お流れ。そのときのAちゃんの「○○(私)がディズニーに行けないって本当だったんだね・・・」というしみじみとした声がいまだに忘れられません。

20代:ディズニーに行くことは諦め持ちネタにする日々

ディズニーランド、本当は行きたいんです。ディズニーランドの音楽も大好き。実際のショーは見たことがないけれど、ショーの音楽が入ったCDは何枚も持っており、思いを馳せていました。

学生時代の後半は、忙しさもあってディズニーのことは頭から追い払っていましたが、22歳、いよいよ心機一転、社会人です。そこで、仕事を始めたり環境が変わる中で新しく出来た友達や当時の彼氏に「ディズニーランドに行ったことがないから行ってみたい」と言うと、絶対に「じゃあ行こうよ!」と言ってくれるわけです。だけど、「なんで?」と必ず聞かれるため(関東住みでこの年代で行ったことがない人が本当にいないのだと思う。プライベートで興味がなくてもだいたい遠足で行くから。…しつこいようだが遠足でね!!)、上記の理由を話すと「俺はまだ死にたくない」だの「鬼門なんだよ、行かないほうがいいっていう天の声だよ」だの「前世でディズニーに恨みを買ったのでは(笑)」みたいな反応になって誰も一緒に行ってくれませんでした!くれませんでした!!!(泣笑)

行きたいとはいえ、初っ端から独りディズニーするのはハードルが高すぎる。で、なんだかもう、ここで完全に諦めました。ある種、心が折れた。私はディズニーランドには行けないのだと。というより笑いに変えて昇華するしかなかった。だって本当は行きたいんだもん。

30歳:初めてのディズニーランド!しかし・・・

あれは30歳になった頃。実家に住む妹が、職場のビンゴ大会でディズニーランドのペアチケットを当て、私にこう言いました。

「私がお姉ちゃんをディズニーランドに連れて行ってあげるよ!」

え、なに、私の妹って神なの!?!?ちょっと泣いたかもしれない。(ちなみに妹は、遠足含めて何度も行っています)

早速日程を決め、当日朝は現地集合に。妹は実家から車で、私は都内の自宅から電車で。帰りは一緒に車で私の家に来て、一泊する予定にしました。

そして迎えた当日朝。5時前に目を覚ましてまず一番大切な確認をしました。

何を?

そうです。あれです。


誰も死んでいない!

危篤の身内もいない!!

台風も来ていない!!!

なんなら晴れてる!!!!

やったぁー!私はついにディズニーランドにいけるんだ!!!!!


ただしこの時、なんとなくの体の違和感がありました。ふわふわしているような?いや、でもきっとついにディズニーにいける喜びで浮かれているのだろう、と思うことにしました。

そしてついに舞浜へ!人生初、ディズニーランドの門をくぐりました!!!

何に乗ったかもう忘れたんですけど(おい)、いくつか乗り物に乗って、食べ物とかも買って、レストランでお昼も食べて、ついに私は夢の国に来たのだ・・!!!という感動に打ち震えていました。

打ち震えていた・・はずだった。のですが。

・・・ああ、知ってる、この体の感じ。これは、あれだ。

お昼を食べてパーク内を歩いていたとき、いきなりプツンと限界が来て、耐えきれず妹にこう告げました。

「ごめん、○○ちゃん(妹)、私、熱があるかもしれない」

妹がすぐ近くにいたキャストさんに声をかけてくれたところ、パーク内の病院に連れて行ってくれました。その熱、なんと38.9度。平熱35度台の女には地獄すぎる地獄です。解熱剤を貰いましたが、フラッフラの状態になっていたので、しばらく休むことに。鼻水とかくしゃみとか咳とか一切ない、ただひたすら熱。もう一歩も動けない。妹にはずっと謝っていたような気がする。

解熱剤が効いたのか日が落ちる頃にはなんとか歩けるようになり、病院を出たところちょうどエレクトリカルパレードが始まったので、遠目から憧れのエレパレを見ることができました。ミッキーが手を振ってくれたよぉー(泣)ミッキィィィィィーーーー!!!!

しかしその帰り。妹の車で都内に帰ってきたのですが、その間再び熱が上がってきたようで、自宅に着いたものの駐車場から玄関まで歩くことすら困難な状況に。妹の力を借りなんとか帰宅しベッドに倒れ込み熱を測ったら39.2度。えええ!?インフルでもこんなに熱が出たことないのに。妹、本当に申し訳ない。

で、翌日朝。起きたら熱は下がっていました。体もすっかり元気。忘れもしない、平熱ど真ん中の35.8度。(ちなみに、前日も普通に平熱でした)

念のためその日医者に行って検査しましたが、特になんの異常もなかった。インフルでもウイルス性のなんとかでもない。

結論、これは。

初めてディズニーランドに行けるかもしれない極度の緊張と誰かがまた死ぬかもしれない&また行けないかもしれないという不安、誰も死ななかったことの安堵、そしてついにディズニーランドに足を踏み入れた感動というめくるめく感情の起伏から出してしまった、

いわゆる”知恵熱”なのだと。

ストレス性高体温とか心因性高体温てやつだと思います。だって、今までディズニーに行こうとするたび誰かが死ぬんですよ、正直めっちゃくちゃ怖かった(泣笑)年齢的に今度は親が死ぬんじゃないかとか。

・・・ビンゴの商品を無駄にしてしまい、本当にごめん妹。でも妹はずっと気をつかって励ましてくれました。優しい妹を持って姉は幸せです。

というわけで、小さい頃からディズニーランドに行こうとするたびに何かが起きて行くことが叶わず、ついに初めて行けたと思ったら知恵熱を出してパーク内の病院に行く羽目になった、という不思議な体験のお話でした。

あれから何年か経ちましたが、何故こんなにディズニーランドに行けない状態が続いたのかいまだに分からないし、「また何か起きるかも?」という不安のほうが大きいことに気づいたので、それ以来ディズニーランドには行っていません。テレビでディズニー特集を見るたび憧れますが、たった1回きりのディズニーランドでパーク内の病院に行くという貴重な体験ができたので良しとします。

あと、舞浜アンフィシアターやイクスピアリは何度か行っているんですが、毎回めちゃめちゃ楽しんでいます。誰も死んでいませんし台風も来ません。ランドじゃなければ大丈夫なのかもしれない?

なので・・・

今度はだれか私をディズニーシーに連れて行ってください!(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?