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2019短歌再掲

今日も元気なく短歌の再掲です


強風に煽られきっと乱暴に道路におちる命の残滓

悲しみと涙に溺れ沈みゆけおまえは不要 刷り込まれる死

バスの中ヘッドフォン越しアナウンス ナマステ ナマステ ここはインドか

どこまでも走る速度についてくる金木犀の花の香散る

夜長く秋も深まる風の中 かすか聞こえる ススキ囁き

ギシギシと夢の彼方で首を吊る死んだところで 生きたところで

涙目で睨む未来は真っ暗で足元さえも 消し去るやみよ

空見上げ蝶を夢見る蛆虫が這いずり回る 私の腕

夕焼けに羨望孕む穢れし身 燃え盛る川 飛び込めぬ我

ゆくさきは黄泉路とわかりしきみの手を 取りて歩くは 坂の先よ

髪の毛を梳いて愛しき君の香包まれ眠る 愛しき日々よ

正常に近づくほどに心折れ苦しみ襲う青空の下

首伸ばしこちらを見やるキリン見て黄色じゃないと泣き出す園児

さよならの煙は沁みて肺の中 深く喰いこめ刃のように

時計見てまだ眠れると時計見て 急いで起きる支度しないと

写真にて過去振り返るアルバムに遺影の様にスペースシャトル

黒々とした心まで流せればお風呂はきっと楽しい時間

ある朝に職場は燃えて灰になり何事もない 空にはアーチ

毎夜ごと吐いて捨ててる絶望も 根には届かず知ってはいても

サクサクと囁く落ち葉秘密ごと覆い隠せよ夏の死骸も

私たち 踏み鳴らすその 足元で囁く死後のひそひそ話し

取り出したコウモリ傘と新聞紙 野球ごっこは夜まで続く

何通目お祈り通知薄笑い 涙も枯れた飛ぶまで少し

日が落ちて自責の念に苛まれ涙ながらにたべる夕食

指先に花を咲かせて午後眠る数ある中に選ばれるなら

虚構には虚構の訳があるだろう例えば君を救ったアニメ

やわらかに自分の中で死んでゆく細胞思い黙祷するわ

目を閉じて眠気味わうその時間 股間めがけて落ちてくる猫

猫が鳴く 撫でろ撫でろと 猫が鳴く 痛みに呻く我を横目に

かさかさと足先さぐり銀杏の葉 落ち来る過日 埋める日常

足浸し寄せては返す波の音 ほどけて私海に還るの

午後の日に 雨雲色の ほの暗きカーテン揺れて 影にくるまる

己が身 空洞なるか からからと左右に振れば こころの音か

未来をば 見つめて泣いて蹲る一寸先の朧月夜

けだるい日けだるい足を投げ出して尻尾のように切り歩きたい

願わくば愛しき日々の生活音 いつかは空に なってゆく家


最近というかね、一緒に住んでる猫さんが肝リピドーシスという病気で入院してまして、大本の原因は今探ってもらっているところなんですけども。
心配で心配で仕方なくて、失礼ながらも勝手に最悪の想像なんかして、手が震えたりしてて情けなくてしょうがないのです。
家の中がこんなに静かだったかなぁとか考えながらも、こればかりは病院の先生に任せるしかなく、祈る気持ちばかり積もっていってます。
気分転換で出かけても、楽しい気持ちが長続きしない性質なのもあり、ずーんと沈みっぱなしです……(´・ω:;.:…

ここまで読んでくれてありがとう。