気まぐれな暇つぶし

野良猫のように生きる彼女たちはもしかしたら、私の人生だったのかもしれない。待機所、ホテル、自宅、池袋の街、風俗は、行ったことのないところだし、アングラで煌びやかな、光と陰がハッキリした場所だと憧れていたが、特別な場所ではなかった。誰にでも身近なもの。関係ないなんていうなよ。見たことある感覚、行ったことある場所だった。

生々しく映ったそれらは、些細な力加減で壊れてしまいそうだった。ほんの一言で、愛し合っているようにも見えたし、死んでしまいそうだったし、知らないうちにいなくなってしまうのではないかと、思うくらいに切ない。画面越しの私を一人にしないで欲しかった。

デリヘルで働く風俗嬢を主題に制作されたロマンポルノ「牝猫たち」