電子書籍の作り方② ~EPUBの正体と作成ツール編~
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電子書籍の作成方法を紹介しています。(あくまで私の使ったやり方)
今回は2回目で前回はザ・電子書籍が嫌でフィックス(固定)レイアウトにすることにしました。
電子書籍のファイル形式
前回、PDFにすればフィックスレイアウトになると言いましたが、PDFは推奨ファイル形式(EPUB、KPFなど前回説明)ではありません。PDFのままでもアップロード可能なようですが、表紙など問題がありそうなので推奨しません。
ということでPDFを「EPUB」にします。
いきなりEPUBという単語がでてきましたが、これは電子書籍のファイルフォーマットの一つで、ハードウェアを選ばないオープンなフォーマットとして世界標準の規格となっている形式です。とりあえず現在のところはEPUB=電子書籍、電子書籍=EPUBであると思っていいぐらい利用されている形式のようです。
EPUBの他にもう1つKPFという形式も推奨されてますが、これはKindle専用の形式で、直接作成できるツールはほとんどありません。EPUBは様々なツールから作成ができますので、無理にKPFにする必要はなさそうです。
EPUBは拡張子が".epub"のファイルとなります。この中身を詳しく知ると電子書籍の制作が捗るので、後ほど触れたいと思います。
電子書籍作成ツール
EPUB(.epub)を作るのにはツールを使います。
で、またまた周りくどくなってしまいますが、ここで『電子書籍作成ツール』というものを説明したいと思います。ツールの利用はほとんど必須なのですが、”電子書籍 ツール”で検索すると大量に色々出てきてわけがわからなくなります。電子書籍用のツールは大きく分けると3種類あり、それらがごっちゃになっているので、まずその種類を理解すると後々使い分けができ無駄なく作業することができます。※分類は私の勝手に決めたものです
それぞれの用途を簡単に説明します。
①ドキュメント系ツール
1つ目はドキュメント系ツールです。(呼び方も私が勝手に付けたものです)これは前回説明しましたGoogleドキュメントなどで、最初に例を挙げたいと思います。
Pages(Apple) ※iCloud版ならWindowsも使えます
恐らく挙げればきりがないぐらい、沢山あると思います。簡単に言えばこれらは資料を作るためのツールで、電子書籍も”作れなくないよ”ということで検索なんかに引っ掛かります。
全てWebブラウザ上でオンライン編集ができるのが特徴で、インストールなども不要。料金も有料コンテンツを使わなければ無料で利用できます。
上2つと下2つでは微妙にテイストが違っていて、上2つは"事務"より下2つは"映え"よりと言った具合です。GoogleドキュメントはWordのようなものでPagesはそれのApple版といったイメージ。Pagesは画像の位置が細かく指定できる、文字間隔を指定できるなど違いがありますが、それほど大きくは変わりません。
Canvaは聞いたことある人もいるかと思いますが、SNS用のツールみたいなもので画像の編集から動画作成、宣伝・告知用の資料などが作れるようになっています。Adobe Expressはデザインツールで有名なAdobe社が提供するもので、Adobeと言えば"高い"ですが、こちらは無料で使えます。こちらも両者は大きな違いはありません。
長々書きましたが、"映え"る書籍にしたいと思わない限りは上2つのどちらかでいいと思います。細かいことに気にしなければGoogleドキュメントで問題なく文章が作成できます。
ここまで書いといてあれですが、パソコンにWordがあればWordで十分で、これらのツールを使う必要はありません。(これらは文章を作るためのツールとなります)
②編集系ツール(EPUB作成ツール)
次に挙げるのは、電子書籍編集系ツールです。(こちらも勝手に読んでるだけです)
先ほどとの違いは①はPDFなどの作成もできますが、こちらはEPUBの作成しかできません。またこれらのツールは自身で編集の機能を持ってません。(誤字を見つけても1文字も直せません)
できることはテキストやPDFなどをまとめてすでにあるファイルからEPUBを作成することです。
説明だけですとどういうものかわからないと思いますが、結論から言えばLemeを利用しますので、次回以降詳細に紹介したいと思います。
そして挙げておいて申し訳ないですが、でんでんコンバーターは基本的に小説向きの編集ツールですので、今回のフィックス型書籍の作成ができないようなので説明を割愛させて頂きます。
③電子書籍"ガチ勢"用ツール
こちらは他にもあると思いますがSigilしか見つけられませんでした。
電子書籍"ガチ勢"とはどういうことか説明するために、ここでEPUBファイル(.epub)の正体を明かします。最初にEPUBは電子書籍用のファイルだと言いましたが、実はその正体はZIPファイルで中身はほぼxhtmlファイルと画像になっています。
※本好きに送る「電子書籍のつくり方」講座からの引用です
EPUBはほとんどxhtmlファイルと画像を固めているだけのようなものです。
xhtmlファイルはとりあえずhtmlファイルだと思ってください。(htmlファイルはWebページを表示するためのファイルです。)
簡単に言いますと私たちがChromeなどのWebブラウザでhtmlファイルからWebページを見ているように、Kindleなどの電子書籍アプリでEPUB内のxhtmlファイルを表示して書籍として見ているという構造になっています。
ということで言い方を変えますと"Webページが作れる、htmlファイルが書けるなら電子書籍は自由に作れる"ことになります。
ここで話をSigilに戻しますが、Sigilはゴリゴリxhtmlファイルを編集して書籍が作成できるようになっています。
このように<body><p>やらhtmlでWeb画面を作成するように電子書籍を作れるのがSigilというツールです。
なんでGoogleドキュメントなどがあるのにこんなことするのか?
と思うかもしれませんが、xhtmlファイルを編集することで微妙な文字間隔を調整出来たり痒い所に手が届く自由自在な編集ができます。
普通の人はこのようにレイアウトから決めるなど、そこまでの完成度はを求めないと思いますが、電子書籍出版で生計を立てたい"ガチ勢"にはこのような編集ソフトが必要になるかと思います。
長くなりましたが、このようにしてツールを分類することができます。参考にして下さい。
色々脱線もありましたが、結局私は"ガチ勢"ではないのでSigilは使いませんでした。使ったのはGoogleドキュメントとLemeです。Lemeの使い方についてなどを次回以降紹介したいと思います。ありがとうございました。
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